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縁さん、たじたじ 2 〝由宇 27歳編〝

紫藤の提案に喜び、宵が腕を絡ませると紫藤は唇をヒクつかせ 「え…、ええ。でも、それはあなたが消灯までお利口さんにしていたらですよ。いいですか?」 ひとまわりも年上の人に対する話し方とはとても思わないですが、おそらくこの人はこういう対応の方がいい気がします。 失礼な気もしますが年齢相応で対応をしたとして想像すると、甘えん坊寂しがりなんて自分で口にするほどですからヘソを曲げてすねられてしまいそうです 紫藤は宵の性質を分析すると、宵が素直に自分の指示通りに行動してくれるようにあえて小さな子に対するような口調で宵に問い 問われた宵は紫藤の思惑通りに頷き、ニコリと笑みを見せ 「はい。いい子で時間になるのを待ってます」 「じゃあ、今からどうしたらいいか分かりますね?」 「ん。はい、分かりました。僕のお部屋に戻りますね」 「さすがです。ではまた後ほど」 「ふふ。はい、後、11時間くらいしたらまたお邪魔しますね」 「はいはい、気をつけて戻ってくださいよ、あなたはそそっかしそうですから」 「紫藤先生…優しいです。。ありがとうございます」 「…」 静かに手を振る紫藤に見守られ、宵は紫藤の部屋から出ていった。 ーーー コンコンー 宵が部屋から消えて落ち着く間もなく、紫藤の部屋の扉が叩かれた 「忘れものですか?やっぱりそそっかし…ぃ…ぁ…」 宵が戻ってきたと勘違いした紫藤だったが、扉が開いて見えた人物に紫藤は顔をほころばせた

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