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第17話 ※
『み、耳……も、やだ……。まだキスしかしてねぇのに……もう勃つとか……恥ず……』
黒木が耳元ではぁぁと深い息を吐くから、俺はまた全身がビクビクした。
「……野間……お前、俺を殺す気か?」
「……んぇ……?」
『ほんと……可愛い。野間』
黒木に可愛いと言われて、胸がぎゅうっと苦しくなった。本当に最近黒木といると胸が苦しい……。
「野間。一回出しとくか」
「へ?」
黒木の指がスウェットの下にかかって、俺の立ち上がったものが簡単に顔を出した。
え、うそ、やばいやばいやばいっ!
俺のものが丸出しだしっ。黒木に見られてるしっ。てかさわられてるしっ!
「……んぁっ! え、ちょ……はぁっ、まっ……て、ひぁ……っ、アッ」
「一度出せばちょっと落ち着くだろ?」
「いや、ま……っ、はぁっ、アッ……」
自分の手とは違う黒木の大きいゴツゴツした手が、俺のを包んで優しく動いてる。気持ちよさが半端ない。
動かし方も俺とは違う。気持ちい気持ちいやばいっ。
「……あ、アッ、くろ……きっ、ン……ッ、はぁっ……」
黒木にしがみつく手が震えた。
だめもう頭真っ白になる……。
そう思ったとき、『声可愛い。気持ちよさそう。もう全部可愛い……野間』黒木の心の声で全身がビリビリした。
「あっ、アッ、ひあぁっっ!!」
腰が浮いてぶるっと震えた。恥ずかしいくらいいっぱい飛び散った。
黒木の心がずっと可愛いを繰り返してる。
俺男なのにとか、どういう意味の可愛いだよとか、そんな気持ちも『可愛い』を浴びすぎてもうどうでもよくなってきた。
俺……黒木の可愛いをもっと聞きたいかも……。
「はぁ……あ、……くろき……ごめ……」
「なんだ、ごめんって」
「黒木の服……汚しちゃ……た」
借りてるスウェットも、黒木のパジャマも、どっちも俺のがあちこち飛んでる。
「これは、脱がさずにやった俺が悪いだろう。謝るな」
黒木の手が頭にポンと乗った。うわ……と思わず目をつむる。いまこれやばい……。
俺の頭にふれる黒木の手。離れるときに髪にふれた指。それだけでまるで全身に電気が走ったように感じた。
どうしよう俺……こんなことでも気持ちよくなっちゃうの……?
俺のものがかかったパジャマを脱いだ黒木は、俺のスウェットも脱がせた。風呂上がりに下しかはかない黒木を見慣れてるはずなのに、いまは心臓がやばいくらいドキドキする。
「下も、脱がすぞ?」
「……う、うん」
俺も黒木のズボンに手を伸ばし、お互いに脱がせ合った。
黒木のものも少し硬くなっていた。……てか黒木のでかっ! なにこれ俺と全然違うっ!
「は……入るのかな……これ……」
「……怖いか?」
「……ちょっと……怖いかも。でも……」
でも田口が全然痛そうじゃなかったから、すごく気持ち良さそうだったから、むしろ期待の方が大きいかも……。
「そうか。なら良かった」
『もし痛がるようなら今日は慣らすだけにしよう。野間に無理はさせない……』
黒木の言葉に「えっ?」と思わず声が出た。
黒木いま『今日は』って言った。これって……今日だけじゃないのか? 今日だけただやってみるだけじゃないのか?
「あ……野間……」
『そうか……野間は今日だけのつもりだったのか……』
黒木の声が沈んで聞こえた。
え、え、やっぱり黒木は今日だけのつもりじゃなかったんだっ。まじかっ。やばっ。どうしようっ。
とたんに俺の顔は熱が集まって熱くなった。
ただのお試し的なアレだと思ってた。
今日だけじゃなくまだまだ続くんだと思ったら、俺のそこがまた期待で立ち上がってくる。せっかく黒木が出してくれたのに。恥ずっ。やばっ。
黒木のキスも、さわってもらうのも、今日だけなんて俺も嫌だ。黒木も同じ気持ちだとわかって嬉しくなって、また俺の胸はわーっとなった。
「も……お前ほんと……っ」
「え? ……んぅ……っ」
唇を黒木にふさがれた。ぬるっと舌が入ってきた瞬間にゾクゾクした。気持ちいい。俺……黒木キス、すげぇ好きだ。
『野間……もう可愛すぎて心臓が止まりそうだ……』
「……んっ、ぁ……」
また可愛いが降ってきた。身体中が熱くなった。
絡めてきた舌に必死で応えた。これで合ってるのかな。キスのしかたがわからない。でも気持ちいい……。
ちゅっ、くちゅっ、と漏れ出る音に、耳まで一緒に愛撫されてる感じがした。
「……んっ、……ふぁ、…………くろ……きぃ……」
まだ肝心なコトはこれからなのに、もう俺の身体のなにもかもがとろけそうで頭がぼうっとする。
黒木の手が胸を撫でた。優しく撫でる手のひらにゾクゾクして吐息が漏れたとき、指が胸の突起をかすめて、それだけで俺の身体はビクッとなった。
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