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プロローグ・出会い
まだよちよち歩きの男の子が、両親に手を引かれて病室を訪れた。そこには生まれたばかりの赤ちゃんが、家族に囲まれてすやすやと眠っていた。
「ともくん」
「うー、あー?」
ともくん、と呼ばれた男の子はきょとんとして赤ちゃんを見つめた。自分よりも小さい赤ちゃんが不思議でたまらないのだ。ゆっくりと赤ちゃんに向かって手を伸ばす。届かずにもう一度。やはり届かず、男の子は首を傾げた。
「可愛いでしょう? あゆくんよ」
「あーう?」
再び伸ばした男の子の手が、赤ちゃんの小さな手のひらにちょん、と触れると。眠っているはずの赤ちゃんが、その手をきゅっと握った。
「あー、あう、あーう」
嬉しくなって、男の子は何度も赤ちゃんの名前を呼んだ。赤ちゃんは眠りながら少しだけ笑ったように見えた。
これが二人の出会い。
智弘と愛優姫の、一途な愛の物語の始まり。
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