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さん

一足先に聖は教会へとたどりついた 静かなその場所に人の気配はない 「やはり…いないか夜」 聖はソプラノからバリトンにまで音域が下がり声が出しにくいものの思い出のキャロルをマリア像に向かい唄った きよしこの夜 御子の笑みに……♪ バタン 扉が開く音に聖は振り返る そこには笑みを浮かべて走り寄る夜の姿 「聖ちゃんっ聖ちゃんだよね?」 すっかり低くなった夜の声と、背も高くなった夜に聖は目を見開く 「夜?」 「ずっとずっと言いたくてこの日を待ってた。すっごく声低くてひげも生えてすっかり大人だね?オレたち」 「ああ」 「ごめん…先に謝る。でも言いたいっ。すっ」 「好きだよ夜」 「え?」 「好きだ…夜。本当はあの頃に言いたかったけど言えなかった」 「な…なんで」 ヘナヘナと夜は座りこむ 聖はそんな夜の目の前に座り顔をのぞきこみ 「来てくれて嬉しかった」 左手で夜の顎を掴み顔をあげさせチュっと唇にキスを落とした 「…っ」 びっくりして夜は目を見開き、次いで涙をこぼし聖に抱きついた 「聖ちゃんっっ。会いたかった!好き好き大好きっ」 聖はその背に手を添え、抱き締める 「長いこと待たせたな」 「待ってたずっと…ずっと。聖ちゃん好きすぎて…毎日聖ちゃんでしてたもん」 「どんな風に?」 「マリア様の前では言えないようなこと…」 「同じだよ」 「聖ちゃん…もっとキスしたい。もっと聖ちゃんを感じたい」 「マリア様の前で?」 「だめだよね」 そっと2人は唇を重ねあった 「車…停めてある。はじめてがそんな場所だけどいいか?」 「うん」 「今年はホワイトクリスマスにならなかったね?」 「雪、降らなかったな」 2人は手を取り合い車に乗り、エンジンを付け後部座席へと横たわりズボンを脱ぎ寒さに震えながら2人で抱き合い、互いをあたためた どちらかともなく下半身に手を触れ、熱い欲望の塊を握りあった 「ん…んぁ…」 「夜。抱きたい…抱いていい?」 「うん。怖いけど…」 聖はローションをダッシュボードから取り出した 「ごめん…他のやつに使った残りだけど…」 「ありがとう気使ってくれて」 ローションで指を濡らし、ナカへと挿れる 「んんっ」 「痛い?」 「大丈夫…」 くちゅくちゅと恥ずかしい音を立てながら解し指を抜くと聖は自身へとローションを垂らし、その場所へあてがった 「夜…愛してる」 「っああっい…たぁった。んんんぅ、やぁっ」 痛みに泣く夜の目を舐め、聖は腰を動かす 「や…ぁ…ぁんっ」 「夜…夜っ」 「聖ちゃん…痛い。でも嬉しい…っ」 「夜…好きだ」 「うんっオレも好き」 「もう離さないずっと一緒だ…」 2人は激しく揺れる車を気にすることもなく、互いの名を呼び何度も何度も口付けては好きと言いあった やがて、空が明るむ頃…窓から見えるあたり一面の銀世界に2人は目を輝かせ、手を繋ぎ…再び唇を重ねた 記憶の中の二人は唄う… めぐみの御代の あしたのひかり かがやけり ほがらかに ………end

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