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〜ブーケトス〜

式も終盤に差し掛かろうとしている。 何より俺が一番楽しみにしているのはブーケトス。 瑞希達に受け取って欲しいと思っているからだ! 「それじゃみんないくよー」 みんな必死で受け取ろうとしているのが面白くてたまらない。 考えてみてくれ。ヤクザだぞ?ヤクザ達がブーケを受け取りたいがために必死に…… 「――3」 「琉生坊!ワシに投げろ!ワシが次結婚する!」 たこ焼きさん彼女すらいないだろ。 「――2」 「琉生くん!俺に向けて投げるんだ!悪いことは言わん!俺に投げろ!」 組長様も誰と結婚するんだよ。 いやまあでも組長様には良い奥さんを見つけてほしいとは思ってる。 「――1」 「琉生!母さんに投げるのよ!」 いや一番意味わからん。 「誰だ!? 誰がとった!?」 「おいおい、なんで僕?」 まさかのまさかで光輝さんだった。 「光輝さん……結婚のご予定は……?」 「あるわけないでしょ!琉生くんと結婚するはずだったのに……」 「一生叶いませんね」 瑞希達に取ってもらいたかった気持ちは山々だけどこれはこれで面白い。 式も終わって皆を空港まで送り届けた。 空港中に九条組のうるさい泣き声が響いてはいたけどあんな幸せな時間をくれた皆には本当に感謝している。 感謝しているのに…… 式が終わって俺達の新居で夫夫水入らずだと思っていたのに…… 「なんでお前らがいるんだよ」 「いや〜取ってたはずのホテルが取れてなくてさ?新婚ホヤホヤな所にお邪魔するのも悪いとは思ったよ?思ったけどさ?俺達フランス語わかんないし……頼む!1日だけ!ね?」 瑞希達が俺達の邪魔をしにきた。 本当……空気が読めない奴だ。この野郎め。 「泊まってもいいが琉生に触れるな。わかったな?」 「わ、わ、わ、わかってます」 紫恩さんはどうやらこの状況に納得いっていないらしく瑞希をジト目で睨みつけていた。 まあなんだかんだ泊めてあげるんだから成長したな。この人。 「次はお前らの結婚式だな」 「俺は結婚なんてしない!」 「え?俺は結婚する気でいますよ?だから俺と付き合ったんでしょ?今更そんなこと言われても困るんですけど。そう思いません?琉生先輩」 「ああ、木南の言う通り!まあせっかくみんな集まったんだしたこ焼きパーティーでもしようぜー。いいでしょ?旦那さん?♡」 「……好きにしろ」 「うわー!イチャイチャしてるー!」 「俺達もしますか?」 「……いい。遠慮し――ぎゃあああ!琉生助けてー!」 あー、俺ほんと幸せ。 あの時、蛇に飼われてほんとよかった。

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