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〜まだまだよろしくね〜
パパパーン
今日は晴れ舞台。
主役は俺と紫恩さん。
とうとうこの日を迎えてしまった。
『新郎 新郎 入場』
新郎 新郎って。まあそりゃそうなるか。
俺の衣装はもちろん純白のドレス。可愛いだろ?な?可愛いと言ってくれ。
この扉の向こうにはみんなが待っている。
俺の家族、紫恩さんの家族、友人、仲間達。
「行くぞ、嫁」
「う、うん!」
お互い緊張しまくっているせいでしなきゃならない事を全てド忘れしてしまった。
まあなんとかなるっしょ精神よ。そこは。
ガチャ
パチパチパチ
扉が開いたと同時にみんなが拍手で迎えてくれた。
照れくせえぞ!コノヤロー!
バージンロードを歩きながら見るこの景色は幸せってもんじゃない。もうそんな簡単な言葉で済ませちゃダメな気がする。
そうだ、俺はこの人と夫夫になって今こうしてフランスという素晴らしい国で式を挙げている。
俺の大好きな人達に囲まれて。
ここまで色々とあったな。殺されかけたりさ。
何回も監禁されたりさ。遊園地行ったり。
悪い思い出も全て笑い話にできる今、少しは成長出来ているんだろうか?
『新郎 九条紫恩、あなたはここにいる九条琉生を夫とし病める時も健やかなる時も――愛することを誓いますか?』
「誓います」
『新郎 九条琉生、あなたはここにいる九条紫恩を夫とし病める時も健やかなる時も――愛することを誓いますか?』
「はい、誓います」
指輪を交換し合い、誓いのキスをした。
『ふうー!アツアツ!』
『よ!日本一!』
そういうテンションじゃないだろ。バカタレ共。
まあでも俺達らしい式かもしれない。
寧ろ、そんなテンションの方が恥ずかしさが軽減される。
両親からの手紙でさえ俺は泣いた。子供かよって思うくらいに泣きまくった。
そして瑞希と木南からのスピーチは最初は俺のいじり倒しから始まったものの最後の文で泣かされた。
『琉生はいつも辛くないフリをして一人で抱え込む癖があります。けど本当は弱い子です。俺達の大事な親友をどうか末永くよろしくお願いします』
とか、言われたら泣かないわけなくない?
しかも瑞希が泣くのはいつもの事だけど木南まで泣くんだよ?無理だって。本当こいつら愛してる。
紫恩さんの部下達もみんなみんな泣いてた。
『若は俺達の一生憧れの人です』
俺が泣いた。紫恩さんは泣いてはいなかったけど口元が緩んでたこと俺は知ってる。
あーこの人、本当は嬉しくて堪んないんだろうなって。
みんな俺達の式のためにフランスまで足を運んでくれてありがとう。と心の中で思ったらまた泣けた。
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