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〜花嫁!?〜
今日は衣装合わせに着た。
お互いタキシードなんて着ちゃうんだろうなあと俺は浮かれていた。
浮かれていたんだけど……
「え、なんで俺純白のドレス?」
「お前はそれで出てもらう」
「はあ!?」
わけも分からないまま俺は純白のドレスなんてものを着せられている。
「え、俺女装の趣味はないよ?」
「その格好のまま犯させてくれないか?」
「……死ね」
ふん!どうせ紫恩さんは結局女が好きなんじゃないか!ほんとムカつく!俺男だっての!
なんで俺が純白のドレスなんて着てしかも犯されなくちゃならないんだよ!
「結局女が好きなんじゃん」
拗ねた顔をしてそう言ってみると紫恩さんに軽く頭を叩かれた。
「だってそうでしょ!?」
「いや俺はお前が好きだ。だが……お前が女みたいな格好をしていると俺の息子が興奮するらしい」
え、結婚もして正式に夫夫になって今更、性癖暴露とかされちゃってるんですけど。
それはもう変態通り越してただの変人だろ。
「そういう性癖あったんだ……」
「俺も今知った」
「OMG」
サイズだけ測るだけ測らせといて当日の俺の衣装はその日までのお楽しみとか言われた。
まあ純白のドレスなんて着せられたら想像しなくても大体予想はついてる。どうせ純白のドレスでも着せるんだろ!?
あーそれならお望み通り着てやるさ!ふん!
「紫恩さんはさ〜なんで俺なんかと結婚しようとか思ったの」
「はあ……?なんで今更そんなこと聞いてくる?」
「んーだって紫恩さんってバイって奴でしょ?男でも女でもいけるってゆーさ。でもよく考えたらなんで俺なんかなあって。最初だって600円払ってあげただけなのに必要以上に俺に執着しちゃってさ〜」
本当にただ単純に気になった。
俺と結婚まで決めた理由を。
「一緒の墓に入るならお前がいいって思ったって理由じゃダメか……?」
「プハハ、なにそれ。まあ確かに好きな理由とかって割と言えないよね、わかる。俺も紫恩さんのことなんで好きになったの?なんて聞かれても答えれないもん」
「……そう、だな」
まあ今更、なんで好きとか、どこが好きとかどうでもいいか。
お互いこの人がいいそう思って一緒になってるんだし。
「……もうすぐ結婚式だね」
「ああ、そうだな」
「楽しみ?」
「お前の綺麗な姿を他の連中に見られるのは気に入らない。だが……まあ楽しみかもしれん」
「いい加減、素直になれば?楽しみですって」
「……腹減った」
俺も楽しみだよ。俺の大事な人達と紫恩さんの大事な人達に改めてちゃんと報告できる場でもあるからそれが嬉しくて堪んない。
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