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第1話 R18

 「ケホッ……、あ、コンバンハ。……、聞こえてるかな?…………、あ、聞こえてますね、コンバンハ、ヨルです」  パソコンの画面に綴られる文字を見ながら、俺はその文字に挨拶する。  「今日も結構見に来てくれて、嬉しいです。楽しんでいってください。……、あ、暴れん棒将軍さん、お久し振りです。ありがとうございます」  久し振りに、配信当初から応援してくれてる常連さんの文字に挨拶をして、言葉を続ける。  「今日は、新しいCDを入手したので、皆で楽しみたいと思いまして……。そうそう、告知してたやつね」  画面越しに文字が羅列する。  その中から、勝手に返答しやすいものに答えていく。  「で、知ってる人もいるかと思いますが、俺に最中の時に命令文で文字を打つことは禁止にしてます。打った方は申し訳ないですが、強制的にブロックさせてもらってます。リクエストには出来るだけ応えるので、よろしくです」  概要欄に一応いつも貼っている注意書きを、始める前に再度伝えるのが自分のやり方だ。  「Subの俺に最中に命令文で文字を書いたら、している最中の音声と文字とで混乱して、サブドロップしてしまう可能性もあるので、その辺は理解して楽しんでいってください」  俺の言葉に、配信を楽しみにしていた人達から、応援のメッセージが続々と流れてくる。  「アハ、皆優しいっすね。ありがとうございます」  閲覧側に俺の顔は映っていない。  胸から下の部分だけ撮っていて、顔にもマスクをしているので、鼻までなら何とか隠すことが出来ている。  いつも配信をする部屋には、ベッドと顔が見えない高さのチェスト、その上にパソコンやバイブなどを置いていて、窓にはありきたりな薄ベージュのカーテンが引かれている。  壁も白。  ここがどの辺の地域で、どういう建物なのかというのも極力解らないようにしている。  「Domの人もSubの人も、そうじゃ無い人も一緒に気持ち良くなりましょー」  そう、俺は先程言った通りSubだ。  この世界には、男女性の他にダイナミクスという第二の性、Dom/Subと言われる性が存在する。  平たく言えばDomの人はSMのSで、Subの人を支配したい、虐めたい人。SubはMで、支配されたい、虐めて欲しい人だ。  その他にはSwitchと呼ばれるDomにもSubにもなれる稀な性もある。  人口比率的にはごく少数になる性の、その中の一人が俺。  この性に生まれてきて一番厄介なのは、パートナーを見つけること。  それは支配したい、支配されたいっていう欲求を満たす相手を見付けられない場合は、心身共に衰弱してしまうからだ。  稀にパートナーを見付けられないDomが、Subを襲うっていう事件もあったりして……。結構、パートナーを見付けるってことは俺達の性からしたら重要な事なんだと思う。  だけど、比率的に少数の性な為、パートナーを見付けるのも一苦労なのが現実で……。  それに加えて俺は性嗜好がゲイという事もあり、更に的は絞られてる。  近年はパートナーが見つからなくても、ある程度は精神や体調の衰弱症状を軽減できるような薬や、俺達みたいなSubがDomから不当に襲われない為のフェロモンを抑える抑制剤が開発されたり、ダイナミクス性に特化した風俗や、AV等の業界も続々新規参入してきていて、昔に比べれば格段に過ごしやすい世の中にはなってきている。  なので普段は普通に生活することができるし、薬をちゃんと服用していれば、Domに自分がSubだと気付かれる事は少ない。  ダイナミクス性には、独特なフェロモンが出ていると近年の研究で解り、それによって薬が開発されてDomがSubを襲う事件は格段に減ってはきているが、まだ完全に無くなりはしない。  世間でもSubに対しての偏見は多少あるし、Domに襲われるのはSubのせいだと言う人達もまだまだ多い。  なので、薬を服用するのはSubにとっての自己防衛って言うところが大きいワケだけど、他の薬と併用できないものも多く、俺が飲んでいるものは一番効き目が強いものだから、基本的には他の薬と併用することが禁止されている。それにキツイ薬は副作用も出る事が多く、俺が飲んでいる薬は倦怠感や、睡眠障害等がある。  今は、毎月何回か自分の気が向いたときに配信しているアダルトライブの最中で、俺はほぼこのライブ配信の収益で飯を食っている。  配信名はヨル。身バレ防止の為と、夜にしか配信しないと言うことで、簡単な名前にした。  本名は石川絢斗。二十六歳、独身。  ダイナミクス性のSubがアダルトなライブ配信をしていると、配信当初から話題になり、結構な人が見に来てくれる場だ。  一番は、人との関わりが苦手な自分が、外の世界にあまり出ずにいかに食っていけるか?を考えた末に出た結論がコレだったワケだけど、していくうちに俺と同じダイナミクス性の人達が一緒に発散できる場になりつつある。  一般のノーマルな人達も、ダイナミクス性に興味があったり、配信を見て理解を深めてくれたりと、嫌な事ばかりでは無い。  「最近、何してたか?………、ウ~ンあんま変わらないかな……、基本、軽度の引きこもりなんで……。あ、でも最近牛スジの煮込みとか作りましたよ、メッチャ上手くできた………ん?ハハッ、食べさせたいですけどね」  俺は、最近の近況を報告。  引きこもりの俺は、外出することが少なく、報告する事柄が極端に少ないが、最初はこういう世間話から始めるのがセオリーだ。  「イヤイヤ、牛スジも最初煮てからキウイと一緒に置いとくと、メチャメチャ柔らかくなりました!」  料理番組かと突っ込みが入りそうな裏ワザに、言いながら自分でフフと笑う。  そんな俺に、画面の向こう側からも反応があって、少しの間楽しく世間話をする。  しばらくすると、画面の文字からお願いする文言が増えてきたので  「服捲って乳首見せて……、アハ、こうですか?」  着ていたTシャツを捲り上げ、乳首を露わにすると途端に文字の反応が増す。  引きこもりの俺だが、ライブ配信の為に体だけは鍛えているので、薄っすらと四つに割れた腹筋から、胸筋が見えて向こう側の人達の興奮が伝わる。  下はシンプルなボクサーパンツ。  いつも配信の時は、Tシャツにボクサーだ。  リクエストの通り、捲り上げたTシャツを顎に挟んで、自分で乳首を愛撫していると、ボクサーの中のモノが首をもたげてくる。  「はぁッ……、勃っちゃいましたね~……ッ、イジっていい?」  聞きながら、俺はボクサーの中に手を入れ、勃ち上がったモノをグイと床と平行になるように倒し、そのまま手をスライドさせると、ボクサーの中でみるみると質量を増すモノを、俺は休まずに扱き続け画面向こうの人達に見せ付けていると  「ン?横向いて欲しい………、こうっすか?」  画面からリクエストで要望があり、俺は画面正面で扱いていた体勢から、向きを横に変えると、ボクサーの中でナニをしているのかがよく解る。  前に突き出したボクサーの中で自分の手がスライドしている姿に、画面の反応は良い。  「アハッ………、皆、エッチッすね~……ン」  画面越しに自分がしている行為がやけに変態的で、そんな自分にも煽られてしまい、ボクサーの先端が薄っすらと先走りで滲んでくる感覚に、マスクの中でペロリと唇を湿らす。  「で、今日は………、ハァッ……、言ってたこれをッ……、オカズに……ンぅッ、したいと思い……ます」  チェストの上に置いてあるCDを掴むと、画面に映るようにパッケージを見せる。  「ア、……、気になってた、人も……ッ……いた?……ハア、アッ……俺も、この声の人………ッ好き……」  パッケージを見せると、画面の文字から反応があってそれに応えていく。  俺は一旦パッケージをチェストに戻して、パソコンをいじると  「んじゃ……こっからは、……ッ有料版になるから……ンぅッ……、よかったら皆……続き見て下さいね……」  ポチリと有料版に切り替え、パッケージからCDを取り出すと、プレイヤーにセットして、そこからパソコンを一旦床に置く。  一度聞いたCDからDom役の人が命令を出す所までスキップさせ、音を出す。  『まずはStripしなさい』  ゆっくりとした低い声が、鼓膜から脳に響く。  俺は『脱げ』のコマンド通りに、着ていたTシャツとボクサーパンツを脱ぎ捨てる。  画面には俺の足と、脱ぎ捨てられた服が見えているだけ。  『良い子だね、ではkneelだ』  その台詞に、ビリビリと甘い電流が背中を這い上がってくる感覚。  kneelとは、『お座り』の意味だ。  はぁ。とため息混じりの吐息を吐き出し、俺はそのまま床へとお座りする。  パソコンを床に置いたのは、お座りするため。高い位置だと顔が出てしまうから。  画面の正面でお座りした俺の中心は、先程のマスターベーションに加え、命令された心地良さにバキバキに勃起し、先端からは透明な液がツ、と流れ出す。  こんな姿を誰とも解らない人達に見られていると思うと、命令されている以上に興奮する。  画面の文字は止めどなく反応の良い言葉が羅列していて  『GoodBoy、良い子だ。しっかり言う事が聞けて偉いな』  CDからの、低くて甘い声に褒められ、嬉しさに指先が震えてしまう。  本当、この声の人俺のツボなんだよな……。  落ち着きのある年上の声に、多幸感が俺を包み、もっと命令してほしくてゴクリと喉を鳴らす。  『じゃぁ、一人で慣らす事は出来るな?恥ずかしがらずに、全部見せなさい』  ベッドを背もたれに、俺はお座りの姿勢からゆっくりと両腿を開くと、涎を垂らしたモノから双丘の蕾へと滴る液まで画面に晒す。  そうしてCDから発せられる声に言われるまま、蕾を慣らす為に自分の指をマスクの下に入れ込み、口の中へ含む。  クチュクチュと音を立てて指にしっかりと唾液をまとわす間、勃ち上がったモノを先程同様扱く。  『あぁ、良いね……、早く入れたくてヒクヒクしている……』  「ッ……、ンぅッ……」  目を閉じれば、まるで目の前で言われているような錯覚に、喉が仰け反ってしまう。  それと同時に口に入れた指を引き抜き、蕾にそっとあてがうと  『ゆっくり、入れなさい』  あてがった指を、命令通りにゆっくりと最奥の蕾の中に押し入れていく。  「はあぁッ~~ッ……」  多少の異物感はあるものの、ゆっくりと自分の指を飲みこむ感覚に、ヒクヒクと双丘が痙攣する。  『上手に飲みこめてるね』  「ンぅッ……はぁッ」  声に煽られ背中が仰反る。  『次は解るね?』  声にコクコクと首を動かし、俺は入れた指を出し入れしながら、腹側の弱い所を入れる時にトントンと叩く。  「~~~~ッ!」  大きく広げた両足は、弱い所を叩く度にピンッと力が入ってしまい、次いではその快感を逃がすようにビクビクと太腿が痙攣する。  俺は堪らずに、握っていた自分のモノをキツく上下に扱き上げ始めると  『オイ、誰が自分で扱いていいと言った?』  流れる声に、一瞬ビクリと体を硬直させ、俺は扱いていたモノから、ゆっくりと手を離す。  先走りの液が手とモノの間でニチャリと糸を引き、視覚的にもヤバい。  思い切り扱きたい衝動をグッと堪らえ、俺は勃起しているモノを強く握るだけにして、最奥の蕾に入れていた指を増やす。  『そうだ、良い子だな。後ろだけ弄りなさい』  言う事を聞いた俺に、声は途端に甘く響くから。  はぁッ……、マジ先に聞いてて……ッ、良かった。初めて聞いたのが……今ならッ、……きっとすぐにイッてたわ……ッ。  などと思いながら、後ろの気持ち良い所だけ重点的に愛撫していく。  「はぁッ~~ッ、ヤバッ……、気持ち……、いぃ~~ッ……」  『次は、私のを咥えなさい』  声が次の指示を俺に与えると、握っていた自分のモノから手を離し、一度膝立ちになって、チェストの上に置いてあるバイブを震える指先で握ると、先程の位置に戻ってマスクの下からバイブを咥える。  あ~~~……、早くッ……入れたいッ。  厭らしい音を立てながら、バイブに唾液をタップリと絡ませていく。  床に置いたパソコンからは、俺がマスクの中でバイブを咥えている所まで映っているが、マスクまでだ。鼻から上は画面に映っていない。  早くッ、……早くッ、中……コレで擦りたい。  後ろに入れていた指も、無意識に三本に増やしていて……、けれどそれだけじゃ満たされない。  指よりも質量のある物で思い切り中を扱きたい欲求に、内壁が自分の指を締め付ける。  『……ッ、もう良い。では、presentしなさい』  声が俺にそう命令すると、握っていない俺のモノからは堪らず、ビュクッ。と少しだけ先走りの液が射精のように漏れてしまう。  presentとは、『Domに局部を差し出す格好』の事をいう。  これから入れてもらう為に、自分の恥部を晒すのだ。  Subにとっては、羞恥心が快感に変わる行為。  俺はゆっくりと起き上がり、三本入れていた蕾から指を引き抜くと、震える手でパソコンをチェストに置き、自身もベッドへと上がり、そのまま四つん這いの体勢になる。  四つん這いになってから両足を開いて、画面に自分の恥部を晒す。  早く入れたくて堪らない俺は、無意識に臀部をユラユラと揺らしてしまう。  『力を抜きなさい。入れるよ?』  その台詞に咥えていたバイブを、指で慣らした蕾に充てがい、何度か焦らすように擦り付ける。  ヒクヒクと蕾が収縮しているのを感じながら、ゆっくり、画面の向こうにいる人達に見せ付けるように、バイブを飲み込んでいく。  「あ゛~~~ッ、ンぅッ……、ッ持ち良ぃ……ッ」  堪らず漏れた吐息に、画面の向こう側がどんな反応なのかと気にする余裕はもはや無い。付けているマスクの中に、自分の涎が落ちる感覚はあるが、気持ち良さの方が勝りそのままになる。  『上手に、飲み込んでいるね。じゃぁ少し手荒でも大丈夫そうだな』  声がそう言うと、次いでは濡れた音と一緒に、パンッ、パンッ、と肌が打つかる音、ベッドが軋む音が聞こえ、俺はそのリズムに合わせて、バイブを出し入れする。  「あッ、ハァッ~、……ヤバいッ……ッ、ンぅッ……、ぃきそッ!……~~~ッ、あぁッ、くぅッ、……イッ……、クッ……」  『ん?もう、イキそうなのか?』  「ンぅ……、ウンッ……、イクッ!……~~~~ッ、イキたいッ!……出したい……、ハァッ、……ッ、射精ッ……したいッ」  『ハァッ、堪え性が無いな……Stay』  『待て』と焦らす台詞が鼓膜を震わせると、ビリビリと背中や腰に電流が走る。  「ッ……めん、なさいッ……ゴメッ……んなさ、いぃ~~ッ……ッは、ぁ、だめッ……だめッ……」  待てと言われているのに、イキたい衝動にヘコヘコと腰が揺れ、自分が何を口走っているのか解らなくなる。  『扱かずイケるなら……ッ許そう……』  気持ち良さそうに聞こえる声に煽られ、コクコクと首を上下に動かす。  トロトロと先走りがシーツにシミを作っているモノを、本当は後ろと同じリズムで扱いて射精したいが、俺はその衝動をグッと堪らえて、再び内壁を虐めようとバイブに指を添え、先程よりも弱いか所を抉るように角度を変えて出し入れしていると  『オイ、無言で射精するのか?私は今許そうと言ったはずだぞ?』  「かはっ……ッ、あ、……ありがとうッ……ございます……」  バイブを出し入れする速度が早くなると同時に、突き上げる強さも激しくなり、ハクハクと震える声を絞り出し、呟いた瞬間  『ン、………イケ』  「ッ!~~~~ッ……ハァッ、イック、……イクッ、イクッ、イクッ、~~~ッ」  声からお許しが出た刹那、扱いていない俺のモノから、勢い良く白濁の液がシーツに漏れると同時に、中に入れていたバイブをキュゥッと締め付け、無機質なカリが膨らんだ前立腺を刺激する。  その、得も言われぬ快感に、ガクガクと下半身を震わせながら、長い射精を堪能する。  気持ち、……ッ良いッ!良いよぉ~……ッ。  しばらくベッドの上で痙攣していたが、声はずっとCDから流れ続けているので、バイブを後ろからユックリと引き抜き、ムクリと起き上がってCDを消すと、チェストを自分のそばに寄せて、顔が隠れるようにする。  画面を確認すると、見て楽しんだ人や、俺と一緒のようにプレイして楽しんだ人のコメントで画面が賑わっている。  「はぁッ………、やっぱ、買って正解でしたね。気持ち良かった~」  俺も素直な感想を言うと、同意見と言う文字が乱立する。  「最後までお付き合い頂いてありがとうございます。今日は眠いのでもう寝ます。またする時は告知するので、良かったら覗きにきて下さい。すみません、お休みなさい」  ファッ。と欠伸をして、画面に向かって手を振ってから配信を切る。  本当はピロートーク的な事をしたほうが良いのだろうが、俺も画面の向こう側もほぼ男。賢者タイムが終われば、出来るだけ速やかに寝たいのが本音だ。  俺が女なら、そういうのも大切だと思うけどさ……。  なので事が終われば、結構アッサリと俺は配信を切ってしまう。  だからといってそのことで、見てくれている人から苦情はきたことが無いので、まぁ、男ならではの……って事で解ってくれるのだろう。  パソコンを切って、ベッドからシーツを剥ぎ取ると、ベトついた体をシーツでササッと拭きバイブと着ていた物、シーツを持って部屋を後にする。  そのままバスルームヘ直行すると、持っていたシーツと着ていた物を洗濯機に押し込みスタートボタンを押し、俺はシャワーを浴び、ザッとある程度身体を綺麗に流したら、持っていたバイブも綺麗に洗い、そのまま洗面台の上に置いてバスルームを出る。  「ニャ~~」  バスルームの扉を開けると、飼っているシャム猫のティーとルゥが待っていて  「ん、待ってたのか?ほら、あっち行こう」  と、歩き出した俺の後を二匹が付いてくる。  リビングに行く途中、キッチンに寄り道して冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出すと、それを持ってリビングに向かう。  テレビの前に置いてある人を駄目にするクッションにボフリッと座ると、直ぐにティーが俺の膝の上に乗ってきた。  乗ってきたティーの顎や顔をナデナデしながらテレビを点けると、見ているようで、見ていない時間を過ごす。  ただテレビの音をBGMにボーッとしたいのだ。  もう一匹のルゥも俺の足元にきて、丸まっている。  「何時………、まだ十一時半かぁ……、少し寝てジムでも行こうかな……」  ブツブツと呟いて、これからの時間潰しを頭の中で考える。  このまま寝てもどうせ三時間位経てば目が覚めるだろうし……、それで三時位だろ?ジムそっから行ったら誰も居ないか。  頭の中でタイムラインを考えて、一人納得すると  「………ウン、そうしよう」  呟いて、俺は一旦自分の上からティーを退かすと立ち上がり、先程配信をしていた部屋とは違う寝室に移動するためスタスタと歩く俺の後を、二匹の猫がハッとして追いかけてくる。  俺は部屋の扉を開けると、俺よりも早く二匹がスルリと部屋の中へ入って行くので、俺も二匹の後に続いて入り、扉は少し開けておく。  「早いねお前達」  先にベッドに乗っている二匹は、ティーが俺の頭付近、ルゥは足元付近に陣取りすでに寝る姿勢で丸まっていて、二匹が開けてくれているスペースに落ち着いた俺は、一度溜め息を吐き出し目を閉じた。  久し振りのプレイに、体も良い感じに疲労を訴えていて  ………、あぁ、寝れそう………。  そうして俺は意識を手放した。

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