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執事 朝比奈是親
何かが触れている…
額に冷たい何かが、、
優しい優しい…手?
「…ぅ…」
薬による眠気でしばらく寝ていたルカは心地いい額の感触に目を覚ました
うっすらと目を開けると、慈愛に満ちた表情で見つめる八雲の姿ー
「や…くも…さまっ…まさか、ずっとそばに!?」
ルカが慌てて体を起こすと八雲はそれを制止し、ルカの両肩を抱いて横に寝かせなおした。
「まだ起きるな。熱が高い」
「で、でも…もったいない」
「気にするな。体を休めるのも立派な仕事だぞ?その仕事を放棄しようとするな」
「八雲…さま…はい」
申し訳無さそうにルカが返事をした時、扉をノックする音が響いた
「入れ」
ギィ…
扉が開くと現れたのはワゴンカートを引いたスーツ姿の白髪の年配のスラリとした男
「失礼します。八雲さま、ルカさま…。お食事をお持ちしました。ただいまセッティングを…」
「いやいい。そのまま置いておいてくれ」
「かしこまりました」
「ルカ?この男は執事の朝比奈是親 だ。俺が調教に出ている間、おまえの世話役を勤めさせる」
調教に出ている間ー
当然と言えば当然だけど…調教師を辞めるわけじゃないんだ
勝手に側にいてくれるって思ってた自分が悪いんだけど、、
ズキンー
ルカの心が痛んだ
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