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第19話

ーーー苦しい。  それになんだか暑い・・・。  気だるい中重い瞼を開けると、そこは自分の部屋のベッドの上だった。    そしてあの時と同様に、全く体が動かないのだ。  動けない原因を探るべく自らの体を確かめる様に触ると、それは自分の体ではなく誰かの腕が後ろからのしかかっていたのだ。  その正体はなんとなく分かってはいるものの、恐る恐る隣を見やると、すやすやと寝ている宮の顔があった。 ーーーやはりこれは、いつかのデジャブだろうか。 邪魔な腕を退かそうとすると、離すまいと言わんばかりにぎゅううとそのまま抱き締められるのだ。 「っ、おい」 「んー・・和夏くん、まだ寝てようよ・・・」 「重い。離れろ」 「・・もー、つれないんだから。・・・昨日はシラフであんなに可愛かったのにねえ」 と囁かれると、くすぐったくて肩がぶるっと震えてしまう。 「ーーッ、おい。いい加減離せ」 「・・本当和夏くんってシてる時と全然性格違うよねえ」  ぱっと体を解放されると、さっさと宮から離れようとすぐさまベッドから降りた時だった。 「ーーあ、和夏くん。昨日出したやつ垂れるから気をつけてねえ」 と、寝起きで舌っ足らずな奴の口から発せられたのだ。 昨日出したやつ・・・? ーーーまさか、 尻に違和感を感じた時にはもう遅かった。 下腹部の奥から白濁の液体が流れ落ちてきたのだ。 「ーーッ、もっと早く言え・・っ」 「うっわ、めっちゃ垂れてんじゃん。和夏くんえろーい」 太ももまでつたっていったところで、急いで風呂場に駆け込み扉を閉めた時だった。 ーーーガチャ 扉を開け、宮が入ってきたのだ。 「和夏くん、それ中から掻き出さないと。お腹壊しちゃうかもしれないし」 もう遅いかもだけど、と呟くと奴は俺を壁まで追い詰めるのだ。 「いや、ちょっ、自分でやるから、」 「あはっ、なに恥ずかしがってんの?俺の指のが長いから奥からかき出せるよ?」 「っ、本当、いいから・・・っ」 抵抗も虚しく、奴の毒牙にかかってしまったのだ。 「ほーら、力抜かないと怪我しちゃうよ」 「ーーッ、ひぅ、」  宮の声が上から降ってくると、後ろから伸びてきた手が下腹部の奥を捉える。  びくっと震えると、湯船に張ってある湯もちゃぷっと波打ち、そのままぐちぐちと中を暴かれてしまう。  お湯と共に中に入ってきた指は湯のせいか自分の粘膜のせいか、ちゃぷちゃぷと音を立てて中を犯してくる。 「ぁ、っん・・、あ」 「・・もー、かき出してるだけなのにそんな声出すなんて、誘ってんの?」 「ーーーひッ」  背にごりっと奴の物が当たると、反射的に腰が引けてしまう。  それを分かってか、腹に手を回されぎゅっと密着してくるのだ。 「大丈夫。さすがに昨日もヤって朝もヤるなんて和夏くんの負担になるようなことはしないからさ」 「ーッ、じゃあ押し付けてくるな・・・ッ」 ーーすると、 奥まで届いた指がくの字に曲がり中をかき回してくる。 「ーーぁっ、ッんん」 「ねー和夏くん。お願いがあるんだけど」 「っひ・・、っぅ」 「俺んちさ、今工事中で帰るとこないんだよねえ。しばらくここ泊めてくんない?」 聞き間違いではないのか。こいつを泊めるなんて俺の身が持つはずかない。絶対駄目だ。分かっているのに。 「んやッ、・・・ぁ」 「考えてみ?毎日俺とこーいうことできるよ?」 「っむ、り・・っ、し・・、んじゃ・・ぅ、ッから・・・ぁ・・・」 「だいじょーぶだいじょーぶ。死なないように俺とちょっとずつこういうこと慣らしていこうね」 「ーーッぁぁ」  体が震え、足がピンっと伸びたと思えば内壁が宮の指を締め付けるのだ。  達した体はびくびくと震え、背にいる宮にもたれかかる。 「・・・ま、俺としては"うん"って言ってもらえるまでイかせるだけなんだけど」 「ーーーな、・・・ひッッ」 ーーーこうして宮に幾度となくイかされ続けた俺は、縦に首を振る他なかった。 *** 「和夏くんほんとごめんねえ。大丈夫?」 「・・・水が欲しい」  分かった、と宮は台所に小走りで向かう。  あれだけ長いこと湯船にいたらそりゃあのぼせるだろう。先ほど宮に運んでもらい、タオルを敷いてもらったベッドの上で横になっている。  宮に渡された水を飲み、しばらく放置していたスマホを見ると、瞬から一件のメッセージが入っていた。  瞬から後で連絡するからと言われていたことをすっかり忘れていた俺は、すぐにメッセージを開いた。  その内容を見てぎょっとしたのだ。夜に連絡ができなかった事への謝罪と、仕事が終わったので今から家に行くという旨の内容だった。  そのメッセージがきていたのは約一時間前。  やばい。まずは服を着て、その後に宮を隠さなければと思った時だった。 ーーーピンポーン ーーまさか、もう来たのか? 俺に負担をかけさすまいと思ってか、 「俺が出るね」 と、宮はすぐに玄関に向かうのだ。 「ーーッ、宮、出なくていいから・・っ」 「ーーーえ?」 俺の声が届いた時にはもう扉を開けた時だった。 ガチャっと音がしたと思えば、 「ーー・・・は?何でまたお前がいんだよ」 不機嫌な瞬の声が、玄関から部屋に響いたのだ。

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