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第21話 イチャイチャ期?

「なぁ、この間涼介授業サボったじゃん?誰としけこんだのぉ?」 俺の肩を組んで、ニヤついた顔で俺を覗き込む壱太。こいつは自分が遊び人のくせに、他人のことにも興味津々なんだよな。こうなったら喋るまでしつこいんだ。 まぁ、俺も秘密にするつもりもなかったし、関係もちょっと前とは違うみたいだし?俺は壱太の絡んだ腕を、肩から剥ぎ取ると言った。 「…葵。」 壱太は眉を顰めて俺に尋ねた。 「誰?あおい?そんな奴居たっけ?」 俺はテーブルから立ち上がると、カフェテリアの入り口で、こっちを向いて待ってる葵の方へ向かいながら壱太に言った。 「鷺沼葵。俺たちたぶん付き合ってる…かな。」 後ろの壱太の目も口もあんぐりと開いてるのが可笑しくて、俺は口元を緩めながら葵と歩き出した。 「何?涼介が思い出し笑いなんて、珍しい。」 俺はこちらを見つめる葵の顔を見て、肩をすくめた。 「壱太に俺達のこと話したら、凄い驚いてたからさ。そんなに驚くことか?で?どこ行くの?…資料室?」 葵は少しギラつく眼差しで俺を睨んで言った。 「まったく。冗談にならないから。…俺はもっとじっくり涼介とイイコトしたいんだ。だから資料室はナシな。今日は二人とも無理だったろ?明日の放課後一緒に、デート。な?」 俺はデートってエッチ以外の事もするのかなと、ぼんやりと思ったけどあえては聞かなかった。何か薮をつついて蛇を出したく無かったっていうか。 俺が裏庭のベンチで座って待ってると、葵は自販機で買った甘いカフェオレを俺に差し出した。そう言えば、俺たちは一年もセフレをしてた癖に、お互いの好みの飲み物も知らない。 でも自分の手の中の甘い飲み物を眺めながら、それって俺だけだったのかもしれないと思った。 「葵、何で俺甘いもの好きだって知ってんの?」 葵は自分の手の中のブラックコーヒーの蓋をパチンと開けて、ひと口飲んでから俺を甘く見つめて言った。 「…好きだから?ふっ、まぁ、涼介が甘党なのって一部では有名だからな。」 俺はカフェオレの甘さを楽しみながら、眉を顰めて尋ねた。 「一部ってなに?」 葵は俺の肩に手を回すと、グイッと自分に引き寄せて耳元で囁いた。 「涼介のファンとか?俺みたいに涼介のこと密かに好きな人たちとか?」 俺は葵のふざけた口調なのに、怖いくらい真っ直ぐな眼差しに囚われて、喉を鳴らして呟いた。 「…そーなの?じゃあ、葵は俺のこと、色々知ってるんだな?俺の好きなキスとか。」 それを聞いた葵は口元を緩めて微笑むと、俺に顔を寄せて甘やかなキスをしてきた。最初だけ少しビターなコーヒーの味のキスは、あっという間に甘く感じた。 葵は俺の口元で少し笑って言った。 「お前、甘すぎ。」

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