56 / 69

第56話 帰る場所※

まるで自分の家のように蓮のマンションへ二人で向かいながら、壱太の今後の予想について蓮と笑って話していた。 「…まぁ、壱太も自分の気持ちが分からないやつだけど、俺も人の事言えないよな。蓮が出来た奴だから何とかなったってところだろう?」 そう言いながら、蓮がマンションのドアを開けるのを待っていた。蓮はドアを開けると、俺の腰を引き寄せてクルリと室内へ押し入れながら言った。 「まぁ、鈍感な奴にはヤキモキさせられるけど、その分ご褒美の価値が上がるからな。今夜も俺にご褒美くれるだろう?」 そう口調は軽かったけれど、蓮の眼差しは熱かった。俺はそんな蓮にあっという間にその気にさせられてゾクゾクさせられた。待ちきれない気持ちだったけれど、口から飛び出したのは反対の言葉だった。 「どうかな?俺をその気にさせてくれないとな?」 蓮は困った顔をしながらまったくとかぶつぶつ言うと、俺を浴室へ引きずって行き、鏡の前に立たせた。両手を片手で後ろ手に拘束すると、顎を掴んで焦ったいキスをしてきた。 もっと貪るように犯してほしい口内はチロチロとしかせずに、焦ったさに俺は舌を伸ばした。蓮はクスクス笑うと、鏡越しに赤らんだ俺の顔を見つめて言った。 「涼介のその強請るような顔が好きなんだ。」 そして既に硬く張り詰めている大きなブツを、俺の尻にズボン越しに押しつけて揺さぶりながら、耳元で囁いた。 「ほら、そうやって俺自身に涎を垂らしそうに蕩けて、甘くうめく涼介が好きだ。」 実際俺はジリジリと期待で燻されていて、自分自身も猛り切って痛いほどだった。ああ、強引にされるとほんと弱い…。俺は身動きが取れない姿勢のまま蓮に懇願した。 「あぁ…、蓮、触って。お願い…。」 自分でも恥ずかしいくらい甘い口調なのは分かっていたけれど、それよりも欲望の方が軍配を上げていた。耳元で蓮が甘く悪い子だって吐息を吐きながら、俺のベルトをガチャガチャ外した。 その金属音で、もう興奮は止まらなかった。俺は蓮に性癖を研究し尽くされたお陰で、まるで思春期のように息を荒くして尻を振って蓮に擦りつけた。 蓮も呻きながらも、慌ただしく俺の昂りを取り出してゆっくりと撫で下ろした。 「はぁ、涼介のこれ、すっかり濡れ濡れじゃないか。興奮しすぎだな。尻もビクビクしてる…。でも先ずはシャワーだな。」 そう言って、悪戯っぽく鏡の中の俺に笑いかけたんだ。ああ、蓮てば焦らしすぎ。最高なんだけど!

ともだちにシェアしよう!