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1.一人でそわそわ

「待って、俺、リア充のクリスマスとか初めてすぎてどうしていいかわかんない。何する? どうする?」  俺、矢車皐月(やぐるまさつき)はフリーターで腐男子の非モテなはずだった。  だけど、何故か神様からイケメンをプレゼントされるという謎の出来事が起こって、そのイケメンと付き合っている。  彼の名は、葉柳李月(はやなぎりつき)。  大学生でカフェでバイトしている、何でもできちゃうスパダリ系イケメン。  リツキは女の子にもモテるタイプだから今だに謎なんだけど、俺と似ているらしい、俺が考える理想のイケメンだ。  ……俺、モテたかったのかな? って思うと恥ずかしすぎる。    いつもならバイトをいれまくって、適当にケーキとか詰め込んで、あとはラブラブは本を読み漁っておしまい、な流れのはずだ。  クリスマスはみんな休んでしまうせいでリツキも俺もバイトが休めなくて、会うのは夜になってしまったからリツキの部屋で会うことにしたんだけど……。 (どうするのか、さっぱりわからない……)  一応ウチのコンビニで買ったケーキを持って部屋に上がり込んだものの、これで合ってるのかも分からない。  本来はコスプレとかした可愛い子がお帰りーとか、すれば萌えなんだろうけど……俺じゃ無理! ただでさえ恥ずかしい黒歴史もあるから無理!  という、葛藤をして現在に至るんだけど……。  ケーキを冷蔵庫に突っ込んで、何となくソファーに座ってぼんやりとテレビを見ていた。 「何か本持ってくれば良かった……」  流石にリツキの部屋にはBL本が置いていないし、持ち込んでもいいとか言うけど、このモノトーンで統一された綺麗な一人暮らしのお部屋における訳ないし。  色々考えていたら眠くなってきて、そのまま眠ってしまった。 +++ 「サツキは仕事終わってるといいけど……」  サツキはケーキを買うんじゃないかと予想して、一応シャンパンとちょっとしたツマミは事前に用意しておいた。  玄関にはサツキの靴が置いてある。  やっぱり先に終わっていたみたいだ。 「ただいま。サツキ、お待たせ」  室内に向けて声をかけたのに返事がない。  サツキ、もしかして怒ってるとか?  足早に室内に入ってサツキの姿を探す。 「サツキ、ごめん。遅くなった……」  言いかけたところで、ソファーで眠っているらしいサツキが見えた。  良かった、怒っている訳じゃなくて。 「寝ちゃったのか。サツキ、可愛い」  今日もサツキは最高に可愛い。  無防備に眠っている姿を見ていると、可愛すぎて悪戯心が疼く。 「サツキー? 起きないとキスするぞ?」  返事は、ない。  眼鏡もかけたままで、すやすやと眠っている。  起きないならいいか、と。  身体を屈めてキスをする。

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