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第十一章 赤井先生あらわる

 麻衣が飛鳥家に入っての翌日、朝食の席で執事の岩倉が今日の予定を知らせてきた。 「麻衣さまには本日、健康診断を受けていただきます」 「健康診断、ですか」 「はい。そして、麻衣さまの担当医をご紹介いたします」 「お医者様」  どこか、きょとんとした表情の麻衣に、岩倉は訴えた。 「麻衣さまには、いつもお健やかに。そして、是が非でも、お世継ぎを!」  ああ、と麻衣は思い出した。  昨日は、響也さんにようやく会えて舞い上がってしまったけれど。 (僕が子どもを授からなかったら、響也さんとは一年でお別れなんだ……)  それは切ない、そして厳しい現実だった。  

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