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眩しさで目を覚まして隣にある布団を見るが、そこは既にもぬけの殻だった。
項垂れつつ起き上がって部屋を出ると、
「あ、おはよう」
宮部は皿を持ってきて簡易テーブルにそれを置く。
少し気まずそうにするそんな姿にまたちょっと抱き締めてやりたくなるのに宮部はそそくさとまたキッチンに戻っていった。
俺もその後を追おうとすると、宮部はカウンターにグラスを置いてこっちを見る。
「これ並べて。食べたら昨日行けなかったから挨拶行かないとね」
お前が寝たからな?と思いつつ素直にりんごジュースの入ったグラスを置いた。
ただのトーストと目玉焼きとりんごジュース。
「買い物も行かないとね」
宮部は座ってから手を合わせてこっちを見る。
綺麗な真っ黒の瞳を見つめてしまって俺はパチンと手を合わせるとトーストにかじりついた。
いつも分厚い伊達メガネをしていた宮部は俺の家でも風呂上がりだってメガネをしていた。
だが、今、メガネをしていないのは部屋だけでは外していたそのリラックスモードで居るからか、ただ単に抜けているだけか。
「……ごめんね。昨日寝ちゃって」
呟かれたそれを聞いて顔を上げると、宮部はまだ何も手を付けずに俯いていた。
「別に。急いで片付けなくてもいいだろうし引っ越しの挨拶だって当日じゃなきゃダメではないだろうし……」
「いや、その……」
大丈夫だと言っているつもりなのに窺うようなその言い方に首を傾げると、顔を上げた宮部は顔赤くしてまた下を向く。
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