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アパートに戻ってくるとお互い冷静になったというか……宮部のイラつきも、俺の昂ぶった気持ちも落ち着いてやけによそよそしくなってしまったのをどうしたらいいのか。
とりあえず、冷蔵庫を開けてみたけど、宮部が買い物って言っただけあって中身はスカスカで寂しすぎる。
「マジで買い物行ってくる……か?」
呟いてみると、真後ろに宮部が居た。
「……ごめん」
「何が?」
冷蔵庫の扉を閉めて背をつけて両腕を広げてみると、宮部が珍しく素直に寄り掛かってくる。
そっと腕で包んで軽く抱き締めると、宮部は俺の鎖骨に額をつけてしばらくじっとしていた。
「……祠堂さんと咲さんは付き合ってるけど……元々はどっちも佐倉さんと身体の関係があったらしくてね」
「は!?セフレってことか!?」
目は合わせず俯いたまま頷く姿を見て三人で話していたあの空気感を思い出す。
あれ?どっちもって……軽くこんがらがりつつ宮部を見ると、宮部もちょうどこっちを見た。
「あのさぁ……今日かなり怒ってたよな?」
どうしても気になっていたそれを聞いてみると、宮部は目を逸らそうとする。
どうやら自覚があるらしい。
「凜華とかの時と明らかに違ったぞ?」
宮部は観念したのかじっとこっちを見て、でも、やっぱりワタワタと逃げ出そうとした。
「何だよ?」
「だって……」
「何?」
「……あの二人は……特に祠堂さんはずっと色んな人と関係もってきたらしいし、すぐナンパするって聞いて村瀬くんも取られるかもって……」
頬を赤く染めて縮こまるこの生き物をどうしてくれようか。
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