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「かわい過ぎか」
唇を塞いで何度も角度を変える。
「かわっ……ふっ……ちょっ……っ」
何か言おうとしているのはわかるが、その言葉ごと舌を絡めて飲み込んだ。
口内を蹂躙してそのまま唇を首筋に移動させる。
裾からは手を入れてインナーごと服を捲り上げながら薄っすらついているその腹筋をなぞった。
ピクッと宮部が反応して俺の頭を押さえ込んでくるのに乗じてその首筋に軽く歯を立てる。
「っ……」
ビクンと身体が跳ねたことに気づいてその顔を覗き込むと、宮部は自ら俺の両頬に手を添えてキスをしてきた。
「……待っててくれる?……洗ってくるから」
少し蕩けた顔で、でも、恥ずかしそうに顔を赤らめて声のボーリュームは下がっていく。
「いいのか?」
「……シたくない?」
隠れつつも窺うようなその顔はズルい。
でも、そんな宮部の目にも欲情の色が滲んでいて俺は唾を飲み込んでフルフルと首を振った。
「……準備、するね」
真っ赤な顔で走っていったその後ろ姿を見送る。
宮部が嫉妬して、俺を取られるかもって思うなんて……こんなにも宮部が欲を見せてくれるなんて……。
昼間の三人にはちょっと困ったが意外といい後押しになった……のかもしれない。
キッチンに入ってグラスを出すとそのまま水を注いで一気に飲み干す。
落ち着こう。
創介さんの言葉を思い出して俺は大きく息を吸い込んでから急いで部屋に戻ってベッドを整えた。
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