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「宮部、今日木田 さんたち来てな。お前に会いたがってたぞ?」
バイトを終えて帰宅したのは間もなく二十一時になろうかという時刻。
待っていてくれたらしい宮部と一緒に夕飯を食べながら今日来てくれた常連さんを思い出して口にすると、宮部は動きを止めてこっちを見た。
「それは僕に会いたがってるんじゃないよ」
「は?」
「村瀬くんと話す話題が欲しかっただけ」
「そうかぁ?」
「僕にはいつも家での村瀬くんのことばかり聞いてくるもん」
ちょっと膨れた宮部がかわいすぎる。
「妬いてんの?」
「……妬いてる」
素直に認めるのも珍しい。
箸を下ろしている宮部を横から抱き締めてみても、宮部はすんなり寄りかかってきた。
「俺はやっぱり水城さんと一緒って聞く方が妬けるけどなぁ」
「別に勉強教えてもらっただけだけど?」
「今日も一緒だったのかよ」
目を細めると、宮部がパッと口を閉じる。
何気なく口にしたのに予定外のダメージを食らった気分だ。
「水城さんは好きな人居るから大丈夫だよ」
ぽつりと宮部が口にして宮部と目を合わせる。
「誰?」
「……詳しくは言えないけど、見せてもらった写真はめちゃくちゃ綺麗な人だった。女の人だよ!……安心した?」
いたずらっぽく笑う宮部の顎を掴んでキスを落とした。
「明日、泣いても止めてやらねぇって思った」
「……いいよ?」
照れながらもチラッとこっちを見てからすぐに俯いて顔を隠す宮部。
「っ……ちょ、あーーーっ!!風呂入って来る!」
ドキドキが止まらなくて俺は風呂場に逃げ込んだ。
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