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第27話 最後まで※

海斗はさっきと同じ様に、ゆっくりと僕の様子を見つめながら入ってきた。僕はさっきの気持ち良さを思い出して、その時を待っていた。 海斗がグッと腰を突き入れると、さっきと同じ強い快感が僕を仰け反らせて、僕は目を閉じて甘く喘いでいた。海斗が僕の前を片手で優しく一緒に扱き始めたから、僕はもっと脚を押し開かれて、もっと奥へと海斗が進んだ事に気づかなかった。 「…全部入ったよ。大丈夫?」 そう耳元で囁かれた時には、圧迫感なのか、それとも別の何かなのか、海斗の優しい僕自身への愛撫に翻弄されて、甘く息を吐いただけだった。 「…うん。あ、気持ちいいっ、いきそう…。」 僕をゾクゾクする様な眼差しで見ていた海斗が、眉をしかめて言った。 「あ、そんな締め付けたら…、俺もう…。動くよ。」 僕はそんな海斗の切羽詰まった様子に、ますます煽られて、海斗の手に押し付ける様に腰を動かした。次の瞬間、海斗が馬鹿みたいに腰を振り立てて動くから、一緒に僕自身も扱かれて、僕はあっという間に逝ってしまった。 「あぁっ、逝っちゃうっ、海斗っ!いくっ!」 大きく揺さぶられながら、同時に海斗の色っぽい呻き声を感じながら、僕たちは初めて一緒に逝ったんだ。 荒い息をしながらも、すぐに僕から出て行く海斗に若干寂しさを感じた。ウエットティッシュで僕のあちこちをそっと拭いてくれた海斗は、ベッドに戻ってくると、そっと僕を抱き寄せて顔を見つめて言った。 「最高だった。…洸太に無理させたかもしれないけど。俺、こんなんだとか思わなかった。好きな人と身体を繋げるってヤバいな。」 僕は、海斗の少し赤らんだ頬を撫でて言った。 「僕も。ちょっと今は違和感あるけど、さっきは夢中で、…でも気持ち良かった。初めてなのに、そんな事ある?」 僕がそう言って上目遣いに海斗を見上げると、海斗は唇をグッと結んでため息をついて言った。 「あー、洸太が可愛くて、ヤバい。でも今夜はもう無理だよなぁ。ああっ、俺、自分がこんな猿みたいだとか思わなかったんだけど…。」 僕は海斗が何を言ってるのか分からなくてキョトンとしてしまったけれど、グッと持ち上がってきた海斗自身を感じてハッとしたんだ。 「海斗、絶倫なの…?」 海斗は慌てた様に首を振って言った。 「いや、俺自分で性欲薄いってずっと思ってたんだ。…洸太とこうなって、俺は好きな奴には止まんないって分かったんだって。…シャワー浴びようか?流石に洸太には無理させられないから。」 そう言って、少し恥ずかしげににっこり微笑んだんだ。ああ、海斗のこの顔、僕だけのものだよね?

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