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それは幻想的な魔法みたいで 2

   夜になると気温がグンと下がって冷え込んできた。  予想通り降り始めそうだな。  雰囲気づくりでローブを脱いで、赤茶のシャツの上に灰色のセーターを着込み、寒冷地仕様の黒の外套を羽織る。  ついでに灰色のマフラーを巻けばそれっぽく見えるか。  パンツはまぁ普通の黒でいいし、ブーツも同じく。  これで黒の革の手袋もしておけば万全だろ。 「レイヴンは服持ってんのか怪しいが、まぁ、なければ買ってやるなり貸してやるなりできるか」    準備を整えると、テラスからレイヴンの自室へと飛ぶ。  テラスからレイヴンの部屋へと堂々と入ると、一応準備を整えていたレイヴンが振り返る。 「またそこから入ってきて……随分着込んでますね?」 「お前なぁ、全部支給品じゃねぇか。ホントそういうのは無頓着だよな。とりあえずローブは脱いどけ。俺のだと大きさはデカいだろうが、まぁそれはそれでいいか」  レイヴンの服を途中まで脱がせてから、もう一度部屋を行き来する。  持ってる中でも比較的ぴったりとしたセーターを持ってきたからいいだろ。  誰かからもらったが、この色は爽やかすぎるよなぁと思って放置していたヤツが役にたちそうだ。  首まである爽やかな青のセーターをレイヴンに渡す。  レイヴンが着ると、手も尻も大分隠れている。 「……これ、大きすぎません? 何か温かい……毛で編まれている服ですか?」 「お前セーター持ってないのか。まぁ、アレーシュだとほとんど使わねぇか。それ、俺着てねぇし。やるよ。気になるなら袖を少し折り返せば平気だろ。可愛くなってるから安心しろよ」 「可愛いって……何か、自分だけ格好つけてません?」  ぶつくさ言っているレイヴンに、同じく身につけていなかった白のマフラーと白の手袋を渡す。  これも貰い物だと思うが、少し短いと思っていたからレイヴンならちょうどよさそうだ。  くるりと巻いてやると、興味津々に手に取ってまじまじと見始めた。 「外套は……まぁいいか。そのセーターは羊毛だからあったかいだろうし」 「はい。しかも煙草臭くないのに驚いています」 「奥の方に仕舞い込んでたし、一応軽く洗浄したから平気だろ。どれも全部レイヴンなら似合うな」 「いいのでしょうか? じゃあ……お言葉に甘えて。ありがとうございます、テオ」  嬉しそうに手袋も付けると、マフラーに顔をもふもふと押し付けて感触を楽しみ始める。    なんか可愛いレイヴンが見られたなら安いもんだ。  思ってたより嬉しそうで何よりだ。 「俺がお気に入りの場所へ連れて行ってやるよ。そこなら正解が綺麗に見られるはずだ」 「なんだか分からないですけど……よろしくお願いします」 「そこまでは時間短縮で行くからな」 「あぁ……はい。いつもの、ですね。本当に便利すぎる魔塔主様の魔法……」  苦笑するレイヴンをテラスまで引っ張っていき、レイヴンの腰を抱きながら詠唱すると、移動(テレポート)が発動する。

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