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柊side5
『リョウタ、悪いな。こいつは俺のツレだから。』
さっきまでカウンターの中でシェイカーを振っていた寛太さんがいつの間にか背後にいた。
男の人を僕から引き剥がし、寛太さんは僕の腰に手を回して引き寄せた。
僕は真横で僕を抱きしめる寛太さんをただ驚いた顔で見上げるしか出来なかった。
寛太さんはそんな僕を見てふっと優しく笑って、僕の頭に手を乗せた。
『助けるために言っただけだから変な期待はするなよ?俺は色んな男と楽しめればいいんだから。
お前が初めてを俺としたいなら、今晩抱いてやるよ。あくまで初めてを経験したいだけならしっかり教えてやるしうんと甘く抱いてやる。ただ、今夜限りでいいならな』
寛太さんは僕を恋人にしてくれない。
きっと僕を好きになってはくれない。
それでも抱かれている時だけでも僕を見て貰えるなら。
僕の体に触れてもらえるなら。
少しでも可愛いと思ってくれるなら。
僕は寛太さんに抱かれたい。
伝わるようにしっかり目を見て頷いた。
꙳★*゚
その夜、僕は好きな人と初めてセックスをした。
寛太さんが耳元で囁く度、僕の体に電流が走る
寛太さんが僕の全身にキスをする度、出したことのない声がでてしまう。
寛太さんに触れられた場所が熱を帯びてくる
寛太さんが僕と繋がっている時に感じている顔にクギズケになった
「ン・・・身体ですか?・・・大丈夫です・・・はい、休みです・・・寛太さんは?仕事ですか?・・・そうですよね・・・あの・・・また会いに行ってもいいですか?」
僕は裸でベッドに寝たままでしばらく動けないでいた。気だるさの中、隣で裸のままでタバコを吸う寛太さんにそう聞くと
『・・・また来てもいいよ。話し相手にはなってやるよ』そう言って僕の頭を優しく撫でた。
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