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第6話 R
深く繋がろうと崩れそうな腰を支えて自分の腰を進める。内 を抉る。激しく腰をぶつけると内壁がうねり、
「ああっ……、…ンっ……ぁ…あッ、あぁ…ッッん」
蘭がかぶりを振りながら声を上げる。
「声、もっと出して……聞かせて……。イキそ…っ」
普段ツンとした蘭が僕との行為に素直に善がって声を上げる姿は堪らない。内壁を僕の全長を使って擦る。先端の角張りで一点を引っ掻くように擦った。
「はぁ…ン」
蘭の声が一層高くなる。
「ほ、歩宜 …っ、歩宜ぅ…も……歩宜 ぅう、う……」
名前を呼ばれる。何度も何度も。その声は艶を帯び酷く掠れていた。隙間なく蘭に埋め込んでいたはずの僕自身が脈打ち、育ったのがわかる。
「…っん、……キツっ」
それは僕の声でもあり、蘭の声でもあった。
嵩を増したソレで突く。内側 は僕をぎゅうぎゅうに締める。
繋がった場所は出し入れを繰り返すが、決して引き抜かれることはなく、じゅぼじゅぼと音を立て前後に揺れる。
蘭の芯から蜜が止むことはない。
「…っ、あ、あン……歩宜ぅう、あ…、ぁ…」
蘭のうなじにキスを落とす。そのまま唇を這わせて左耳朶 に歯を立てながら、
「イこう。蘭…一緒にイこう……」
そう囁いた。
「っぁ、あ――――……」
瞬間短く声を上げ、歓喜の嘆息を漏らす蘭。僕の右手内の蘭自身は震えながら熱い迸りをドクドクと噴き出す。ガクガクと揺れる腰。内側は僕のモノをぎゅうぎゅう締めつけてくる。
その動きに――、
「…イクっ」
堪えきれず欲を内側にぶち撒ける。
「っ…んふぅ」
その熱さを感じてか蘭が甘く息を吐く。悦 すぎて閉じた瞼の裏に、火花が散る。
「蘭……」
僕はそう呟いて蘭の背後から彼を抱きすくめた。
ぴったりとくっつけた肌からは彼の熱さが伝わってくる。
……温かい。
……あたたかい。
――ああ。わかった。なぜ僕がせつなさを感じる花火を好きなのか、が。
そうか、そうだったんだ……。
花火というものは、咲いたその一瞬は多くの人に同じ感動を共有させるだろう。けど、それが消えてしまったら人はそれぞれにまた違う感情を抱く。だから僕は花火を見てせつなくなるんだ。
『感情の共有は一時』なんだと、『僕は独り』なんだと強制的に確認させられるから。
自分が孤独である事に気付きたくなくて義務のように毎年花火を見、花火を『好き』だと『思い込む』ようにしていたんだ。そうすれば”『好き』で自分が選んで『僕は独り』でいるんだと『思い込め』る”から。
……だけど、…本当は。………………独りはいやだった……。
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