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第72話 クリスマスのプロポーズ

「まだまだ先の話だけど、約束だけはしてくれないか? ……智流にオレの奥さんになって欲しい」  それはまったく突然のプロポーズ。  でも志水は真剣だった。 「智流がずっと一緒にいてくれて、『行ってきます』と『おかえりなさい』を言ってくれる毎日がオレにとって一番の夢だよ」 「志水さん……」  大きく見開いた瞳に涙がみるみる溢れてくる。 「これから先、智流がなにかやりたいことを見つけたときは、オレも一緒に応援する。だから、オレの奥さんになってくれないか?」 「志水さん……、僕、本気にしちゃいますよ……?」  智流が涙声で確かめてくる。 「オレは本気だよ。だから……約束して欲しい。いつまでもオレの傍にいてくれるって。将来はオレのお嫁さんになってくれるって」  志水は胸の鼓動を速めながらプロポーズの返事を待った。  智流は頬を涙で濡らしながら、 「はい……」  はっきりとそう答えてくれた。 「ありがとう……智流」  Yesの返事に志水は安堵の吐息を落とし、心も体も一つに結ばれた幸せに酔いしれる。    そして志水と智流は、口づけで誓いを交わした。  いつまでも二人寄り添って生きていこう――。  この先、弟を溺愛する姉、愛香が度々二人のお邪魔虫をするのだが、それすらも幸せのエピソードとしてカウントされるだろう。  志水と智流は同じ未来を見つめる。ともに歩いていく。  辛い時は二人で乗り越え、うれしいときは二人で喜び……。  永遠という言葉は愛し合う二人の傍にいつもあるのだから――。  

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