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怖くないって囁いて

相馬さんが部屋の隅っこで 壁に向かい泣いている。 ここ何日かそうゆう日が続いていて どうしたものかと頭を悩ませる日々。 「う、ぁあ”……伊野尾…………う”う”ぁ!!」 また言ってるよ。 伊野尾とか横山とか……何なんだよ一体。 「相馬さん……」 無視……。 まぁこれは最初から 想像ついていたことだから問題ない。 背中には喋りかけるなって書いてあるけど無理。 今の彼は構ってあげないと、おかしくなっちゃう。 オレは相馬さんの頭を ポンポンと優しく撫でる。 すると今まで壁ごしに泣いていた彼が振り向いて オレの胸に顔を押し付け また泣き出した。 その体勢のまま顔を上に向かせて 優しくキスをした。 「……ん、やぁ……!今、気分じゃ、ねぇ……!」 相馬さんはオレの顔を遠ざけた。 だがすかさず腕をつかみ また口付けた。 さっきのような優しいキスではなく かぶり付くような荒々しいキス。 「ふぅ……うぅん!!………あふっ」 胸板をドンドンと叩き抵抗する彼。 だけど、止めてあげない。 今はこうやって強引な方がいい場合もある。 言葉通り 最初は抵抗していた相馬さんも しだいにおとなしくなり 今じゃオレのキスに必死に答えている。 しばらくキスを楽しんだ後 そっと唇を離してお互い見つめあう。 「……オレが知らない理由で泣かないで。せめて、何があったかだけ言って。……じゃないと助けてあげれないから」 彼を恐怖から。 「お、俺……が、あいつらを殺したようなものだ!俺がやれるとか言うからっ!だからあいつらは死んで…………うあ”あ”あ”!!!!」 また大泣きを始める相馬さんの背中を優しく擦る。 オレは何も言ってあげられない。 ここは恋人らしく相馬さんは悪くないよ と囁いてあげるべきなんだろうか? つくづくこうゆう事が苦手。 でもね、一つだけ俺でも言えることがあるよ。 それは………… (怖がらないで。相馬さんが思っている以上に憎んでないさ、分かるだろう?)

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