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side. kentarou 「待たせたな…退屈だったろう…?」 「ッ────…!!」 現れた先輩に、オレは秒で心奪われる。 (ヤバい、コレ、なに…) 先輩の、夏でも真っ白雪みたいな肌は… 湯上がりでぽってりと仄かに赤く上気していて。 水滴とか…汗とかがソコを滑り落ち。 相乗して、艶やかな演出を施している。 サラッサラな黒髪は、まだ湿り気を帯び。 片耳に掛けちゃってるとこなんて、そこら辺の女子の皆さんより色気ムンムン。 常に装着してる眼鏡が今は無いから。 色素の薄い切れ長な瞳が、直にオレを捕らえてるし… 加えてその格好。 もしかして、オレに合わせたチョイスだろうか…? それは野球のユニフォームみたいな、スポーティーなデザインで。相反してなんとも可愛らしい水玉模様。 暑いからか、第二ボタンまではだけたそこからは、 鎖骨がチラチラと覗いていた。 更に下は短パンで、すべすべな生足がっ… こんなの見せられたら、封じ込めた下半身が目覚めるに決まってるじゃないスか…。 「いっいえ…んなことないッスよ!」 落ち着け健太郎、直視はダメだ。 先輩はいつもと変わらない… オレひとり発情してどうすんだってんだ? 意地でも耐えろ…でなきゃ先輩との関係が、 ここで終わってしまうかもしれないじゃないか…。 「えとっ…そだ、先輩の部屋って可愛いですね!」 「?…前にも言ってなかったか、ソレ。」 「やっ!あ…ホラあのぬいぐるみとか、そのパジャマなんかも…なんともファンシーと言いますか…」 当たり障りのない話題を振るも、カウンターを食らい…なんとか踏ん張るオレ。 がしかし、今日の先輩はどうも手ごわい。 (うおっ…─────!!?) 迷うことなくスタスタと近づいて来たかと思えば、 オレが座っているベッドの───…肩が掠るくらいの至近距離に、迷うことなく腰を下ろす先輩。 (ななっ、なんて無防備…!!) 「それは全て母さんの趣味だ。父さんがいない分、僕にペアグッズとか…色々買ってくるんだ。」 うちの中なら何も問題無いだろうと、 先輩らしい回答を、しっかり語ってくれたりして。 いつもよりサービス良くないスか…先輩。 「あっ、そッスよね~…先輩がこういうファンシーなお店とか行ってるのって、想像つかないですもんね~。コレなんか───…」 出来るだけ先輩を見ないよう、意識しないよう心掛け。無駄にペラペラと喋り出すオレ。 あからさまにヘンかもしれないけど、先輩は結構鈍感さんだし。 平気だろうと高を括ってたんだが…

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