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side. kentarou
「ンッ……!」
夜の帳が、一層オレを獣にさせる。
もうストッパーは要らないから。
無我夢中で先輩の唇へとかじりついた。
クチュリ、ピチャリ…
卑猥な水音が部屋を支配して。
後は互いの荒い息遣いと、
時折漏れる先輩の掠れた声がオレの聴覚を狂わせる。
「ああッ…ゃ……」
耳朶を甘噛みし、中に舌を突き刺す。
そのまま首筋に吸い付いて、赤い痕をいくつもの散らし…鎖骨へと降り立った。
シャツのボタンは全て外し、白い肌に一際目立ったふたつの突起に…オレは釘付けとなる。
今宵は熱帯夜。稼働しているエアコンも扇風機も、
なんだか無力なまでに。
高ぶる欲で汗の伝う先輩の肌は、
うっすら鳥肌が立ってて…
ふたつの熟れた果実もその存在を、ぷっくりと主張していた。
(美味そう…)
躊躇う間も無く食らいつき、舌を転がせば。
「あぁッ…!!」
先輩は甲高い声で鳴き、大きく身体を仰け反らせた。
「んンッ、アッ…ぁ…」
男でも、胸で感じるヤツはいるって聞いたコトがあるけど…。
先輩のはそんな優しいもんじゃない。
いつもはハスキーでひやりとする声音も、
オレの愛撫ひとつで、鉄の仮面は脆くも剥がれ落ち、
妖艶な姿を晒し…余裕無く声を漏らしている。
衝動で快楽に怯えているのか…時折オレを上目遣いに、その潤んだ瞳で捕らえられようものなら。
逆に、飲まれてしまいそうなくらいだった。
「せんぱっ…ココ、気持ちいいんだ…ね?」
胸の突起に舌を這わせたまま、口を開けば。
素直に跳ねる先輩の肢体。
「ばっ…か…」
あくまで強気に返してくるから。
意地悪くそこを甘噛みすれば、更にイイ声で鳴いてくれた。
(ココも、反応してる…)
「あっやめ…───!!」
やんわりと布越しに手を添えれば、
嵩を増した先輩のソレ。
少しだけ強弱をつけて擦りつけると、
先輩の抵抗はその力を失った。
「あっ…ああッ…!」
「…先輩ってさ、ひとりでシたことあるのッ…?」
「なっ…!?」
手は止めず、優しく焦らすように。
「オレは、シてたよ?初めてキスした日とか…何回もっ…」
「ああッ…く…!」
オレの声だけでも先輩は感じてる。
現に右手で包む頂は熱く、じんわり染みが出来始めてたし…
その事実だけで、オレは満たされる。
(もっと感じて、オレだけ見て…)
「んンッ……」
唇を塞ぎ、中を舌でかき乱す。
先輩の意識がそこに集中するように激しく。
そうしてスルリ下着の中へと、手を這わせていった。
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