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side. Kentarou 「ぁ…あやと…綾兎、先輩ッ…!」 好き、大好き、愛してる。 どんな言葉でも物足りなくて、 安っぽく聞こえちゃうけど。 バカなオレは、それぐらいしか知らないから。 ありったけの想いを込めて何度も先輩の名を呼び、 感情をぶちまけたら… 「ああッ、…けんた、ろっ…」 “アイシテル” シンプルでいて飛びっきりの口説き文句を、 艶やかな声音に乗せて。 「あっ、ヤ…けん────あアァァッ…!!!」 先輩はまた、イッてしまった。 「くッ…綾兎先せんぱッ…あやっ……アぁッ…!!」 先輩がお腹に精子を放ったと同時に、 後ろの壁も、これまでに無い締まりをみせて。 オレの果てしなき欲望は、 夢にまでみた愛する人の体内で… 数ミリの薄い膜越しに、惜しみなく注がれていった。 ──────…… 「ンッ……」 先輩の部屋、シングルベッドで足を絡め。 心と身体…全てで結ばれた気怠い肌を重ね、 余韻に浸る。 オレの腕を枕に眠る、先輩の可愛い寝顔をじっくり堪能していたら…。 漸く目覚めたその瞼に、オレはキスを落とした。 「も…朝か…?」 「ん~ん、まだちょっと早いッスけど…。」 悪戯なキスを顔中に浴びせても、 寝ぼけてるのか、全然抵抗しない綾兎先輩。 「……寝れたか?」 「…まぁ、ぼちぼち。」 ウソ。眠るのが惜しくて結局徹夜しちゃった。 当初とは理由がぐるっと、変わっちゃったけどね。 「あ…」 目が合ったら逸らされた。 顔真っ赤にして…可愛いなぁ~。 「先輩、こっち…ね?」 耳に舌を這わせながら囁けば、お返しとばかりに先輩が呟く。 「…名前、もう…呼ばないのか?」 「…あ~…それはッスね……」 (エッチなコトいっぱいさせてくれたら、いくらでも呼びますよ…?) 「なッ…!!」 素面ではまだ恥ずかしいから、今は大胆な時にだけ。 「先輩こそ、もう呼んでくれないの?」 「ッ────…僕も、……だけだっ…!」 あんなに素直だった先輩も、 いつものクールな先輩に戻ってしまったけど。 「えへへ~。」 「なんだ、気持ち悪いな…。」 綾兎先輩はオレの恋人。 自信持って宣言するから。 もうこれからは、 遠慮しなくてもいいんだよね? 「先輩…もっかいイチャイチャしよ~…」 「ちょ、お前なんで朝から勃っ────」 おしまい♥️

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