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side. Tamotsu
「お前…」
「えへ…おはよ、上原君っ!」
来ちゃいました──────上原家へ。
ピンポーン…
これを押すのに実は30分以上費やしました。
電子音が鳴り響いた瞬間、身体はもうガッチガチ。
でももう押しちゃったもんね…。
「…どちらさま~?」
ガチャリと勢い良く開いたドア。
オロオロしてたら、ちょっとぶつかりそうになり。
蹈鞴 を踏んで、その場はどうにか堪えた。
「あっ、えと…あのっ…」
「…誰だ、アンタ?」
威嚇するような声で現れた人物は…
見た目上原君の一回りくらいサイズダウンしてて、
髪の色が少し茶色めの短髪なんだけども。
その声質とか口調、獲物を捕らえるつり上がった目尻とか…上原君の面影そのまんまであって。
ついつい身構え、緊張が走る僕。
えと…もしかして弟くんとか、かな…?
ジロリと爪先から頭の天辺まで品定めされ、
声も出せず固まっていると…
「なにお前?あ~…もしかして兄貴の─────」
そうです友達なんですって、名乗ろうとしたら…
「パシリだろ?」
「……チガイマス。」
そうだよね~普通そうなるよね…。
僕って見た目まさにそれだし、上原君と友達って方が…まず無理あるよね。
「はあ…?じゃあなんなわけ?」
上原家って、みんなオレ様気質なんだろうか?
「そっその、友達です!僕…さ、佐藤って言います…。」
「え………マジかよ?」
ハイと小さく頷くも、訝しげにまたジロジロと睨まれるからいたたまれない。
とりあえずご本人を呼んで下さい…。
「………ちょい待ってろ。」
漸く理解して下さったのか、奥へと引っ込んで行く彼。
やっぱり弟くんだよね…。
サイズダウンしてるだけで、見た目も性格もそっくりだし。
そわそわしながらひとり玄関先で待っていたら、
すぐに威勢良く足音が迫ってきて─────…
「おまっ、保…」
朝の10時過ぎ、夏休みだからまだ寝ていたようで。
灰色のハーフパンツのみで上半身裸…。
不意打ちにも、しなやかな肉体美の上原君と対面を果たした僕は…体温が軒並み急上昇した。
そこで冒頭に、話は戻るのだが…
「えへ…おはよ、上原君!」
精一杯、平静を装って挨拶をかます僕。
「えへっ…じゃねぇよ、何だよ急に…」
迷惑って言うよりは、驚いてるって感じの上原君。
良かったぁ…アポなしだったから、ドン引きされるんじゃないかって、かなり不安だったんだけど…。
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