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side. Tamotsu
ガタンと立ち上がる僕。
えっ、ウソウソ…そんなまさか─────
「今日、なの…?」
「ああ。」
嘘でしょ…なんでなんで!?
「そんなっ、もっと早く言ってくれれば…僕、なんにも用意してない!」
片想いとはいえ、大好きな人の誕生日を見過ごしてたなんて…。
ひとりショックで半泣きする僕に対し、
上原君は至って冷静でいて。
更に僕の心を、揺さぶりに掛かる。
「なんも要らねぇって。お前が一緒に祝ってくれりゃ、それだけでよ。」
「ッ…!……う、うん…」
ズルいよ、ズルい。
なんだか良いように絆されて。
仕方なく椅子に座り。仕切り直しとばかりに、ふたりきりのお誕生日会はスタートしたんだけど…
「な、ナニコレ…?」
「何って、普通にビールだろ。」
コーラの為に用意したハズのグラスには、予告なく小麦色のシュワッとした飲み物が注がれて…。
グラスを手にしたままピシリと硬直していると、
上原君に勝手に乾杯され─────…
本人はグビグビと、
当たり前のように一気に飲み干してしまったから。
「はぁ~…やっぱ夏はコレだよな~。」
お前も飲めよとか、当たり前に進めちゃってるけど。
ごく真面目に育ってきた僕は、こんな未知なる飲み物…ていうか、未成年だから飲んでる方がおかしいよね?
しかも真っ昼間からお酒って…。
「オラ飲めよ、保~?つまんねえだろ~。」
オロオロしてる間に、もう缶が3つも空になってるし…。僕には上原君の好意を、無碍には出来ない弱みがあるから─────…
「んっ…!」
勇気を出してグラスに口を付け、
勢い良くビールを喉へと流し込んだ。
うう、苦っ…。
「おお~やるじゃねぇか、保~!」
ヒュゥッと口笛を吹いて、またなみなみ注がれる。
まだ飲まなきゃなの、コレ?
あ───…なんだか、ぽかぽか気持ち良くなってきた…
そうこうしてる間に、
僕の意識は曖昧に…段々と怪しくなっていった。
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