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第3話 涼一

 涼一は綺麗な少年だった。  きめ細やかな肌は透けるように白く、漆黒の瞳は濡れて潤んでいる。小ぶりの鼻も柔らかそうな唇も文句のつけようがない。  その所作の度にサラサラと流れる髪は茶色がかっていて手触りが良さそう。  同性でも綺麗なものは綺麗だ。束の間勇介は涼一に見惚れた。  しかし、その愛くるしい容姿とは裏腹に涼一はひどく冷たいまなざしと声で応対して来た。 「あんた誰?」  見惚れていた勇介は我に返る。 「訪問看護師の谷川です。ご両親から聞いてない?」 「聞いてない。っていうか父さんも母さんもほとんど家には帰って来ないし。 ……俺には興味ないみたい」 「そう……」  ……ネグレクトか。そこは俺と違うな。俺の両親はすごい過保護で……あれはあれできつかったけど。でも――。  勇介が思案にふけっていると、それを破るように涼一が聞いて来た。 「訪問看護師って何するの?」

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