静かな部屋に扇情的な涼一の吐息が響き渡っている。 　涙目になって勇介の方を睨みつける。 　あたりまえか。 　裸を見られたり、頬にキスをするだけでも真っ赤になり、俺を変態扱いするのだ。 　なのに、ディープキスや、体への愛撫、極めつけは射精を促す。涼一にはにわかには信じられない行為だっただろう。 　しかし、まだ終わらせる気はなかった。今日は涼一にはとことん快楽に堕ちてもらう。 　勇介はスーツのジャケットを脱ぐと、ネクタイを緩め、涼一をベッドに押し倒した。 「やめっ……先生っ……」 　まだ荒い息の元涼一が拒絶の言葉を吐いて来る。 　それを無視してウサギのスエットを胸の上までたくし上げると、その小さな乳首に吸い付いた。 「ああっ……やだっ……」 　左の乳首を舌で愛撫し、もう片方は指で弄ぶと、涼一の声に甘さが混じり始め、腰がビクビクと跳ねる。 　さっきイッたばかりで萎えていた涼一の性器がまた勃起し始める。 「さすがに若いから元気だね」 　クスと笑いながら囁いてやると、恥ずかしそうに顔を背ける。 「そのままじゃ苦しいだろ？　今楽にしてあげるからね」 　勇介は涼一のスエットのズボンを下着ごと脱がせた。露わになる幼い下半身。 　ゆっくりと勇介は乳首から唇を下へと滑らせていくと、勃ち上がった性器を形のいい唇にくわえた。 「やだぁっ……」 　涼一の体が大きくしなる。嫌だといいながらも腰は浮いてもっともっとも勇介に愛撫を求めている。 　勇介は涼一の性器を舌で突き、時に喉の奥で締め付け、アイスを舐めるようにしたり、ありとあらゆる方法で攻めた。 「あんっ……あっ……ああっ……」 　涼一の声色から拒絶の色は完全になくなり、その細い手で勇介の髪を掴みながら喘いでいる。 　涼一の善がり声を耳に甘く聞きながら、勇介は自分自身が不思議だった。 　政略結婚で男を妻としたが、それは涼一を自由にするための手段のはずで、まさか、こういうことをすることになるとは思ってもいなかった。 　同性と性的なことをしたのは勿論初めてだし、いくら涼一を不安から救うためでも性器を愛撫するなんて信じられなかった。 　……俺ってバイセクシャルだったのか？　その上、ロリコン――いやこの場合はショタコンとでもいうのだろうか。 「ああっ……先生出るっ……出ちゃうから……離してっ……」 　ひときわ高い声が涼一の唇から発せられる。 　勇介がイッていいよと強く性器を吸い上げると、悲鳴のような善がり声とともに勇介の口内に涼一の精液が流れ込んで来た。 　精液なんて美味しいもののはずがない。なのに、涼一の幼い痴態を目に唇に放たれたそれはなぜか甘く感じられて、自然と勇介はそれを飲み干していた。 「先生の変態！　変質者！！　強姦魔！！」 　イッたあとの荒い呼吸と余韻が冷めてくると、涼一はありとあらゆる言葉を使って勇介を責めて来た。 「……でも、気持ちよかっただろ？」 「～～～～～～！！？！」 　どうやら地雷を踏んだようだ。 　涼一はそこらにあるものを勇介に向かって投げつけて来た。 　枕やクッションまでは良かったが、涼一は自分のスマホまで投げつけて来た。 　反射神経でそれを受け止めたが、さっきまでの可愛さとの違いに少し戸惑う。 　だから、つい涼一の怒りを抑えるために言ってしまったのだ。 「涼一くん、前立腺って知ってる？」