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第216話

「周と由弦とサクラもいるので、少し狭いかもしれませんが。それでも良ければ、ぜひ」  庵は元々広い方ではないが、少し詰めて眠れば紫呉一人くらいならば寝起きできるだろう。由弦はもちろん、周も紫呉の泊まりを歓迎しているようで、紫呉はニカッと笑った。 「ありがとうな。さっきここに来る途中で屋敷に寄って槍を持ってきたから、三日後には出ねぇといけないが、それまでは約束通り由弦と湊に教えられるぞ。弥生みたいに美味くはできねぇけど、食事の支度も手伝うし、周もバンバン使ってくれて良いからな」  紫呉の言葉に由弦や湊の顔がパァッと目に見えて輝いて、やったー、と小躍りしそうな勢いで喜んだ。その様子を蒼と雪也が微笑ましそうに見つめている。  弥生や優に会えないのは少し寂しいが、紫呉が駆けつけてきてくれたことでこの庵も久しぶりに笑い声が絶えない。

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