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第459話

 今日は鶏肉が安く手に入ったからそれを使おうかと周が顎に指をあてながら天上を仰いだ時、表から馬の嘶きが聞こえて皆の顔が勢いよく上がった。  もしかして……、と誰もが同じ顔触れを頭に浮かべた瞬間、静かに扉が開かれて逞しい体躯が入ってくる。 「よ! 久しぶりだな。全員元気にしてたか?」  大きな風呂敷を三つも抱えて現れた紫呉の姿に、周たちは嬉しそうに笑みを浮かべ、由弦は何かを耐えるようにクシャリと顔を歪めながらサクラを抱き上げた。そんな由弦の様子に、どうしたのかと扉の前で立ち止まりながら首を傾げた紫呉はグイッと勢いよく横に押しのけられる。 「呆けてないで中に入ってくれ。私達がいつまでも入れない」 「弥生も待ちきれないんだね」  紫呉も久しぶりの来訪だが、後ろからもっと久しぶりに顔を見る弥生と優が現れて、周は目を見開き、湊はパッと笑みを浮かべた。

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