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第461話

「あ、うん。大丈夫。すぐに作れるから、ちょっと待って。雪也、呼んでくる。気づいてないみたいだから」  雪也にとって弥生達は親代わりみたいなものだ。言葉にこそしなかったが、ずっと会いたがっていたことを周は知っている。それゆえに未だ姿を見せない雪也を今か今かと探していたのだろう。しかしここまで待っても現れないということは、少し遠くに行って馬の嘶きが聞こえなかったか、考え事でもして気づいていないのだろう。  自分以外を求める雪也の姿を見るのは、周にとってあまり心地よいものではない。でもそれは周の我儘で、どうしたって雪也の世界から周以外の存在を消すことなど不可能。それを雪也は望まないし、周とてそれが良い事だとは思っていない。  だから、あんなに会いたがっていたのだから、早く伝えに行ってあげないといけない。きっと雪也は喜ぶだろう。それは何よりも優先すべきものだ。だが、すぐにでも駆けだそうとする周を弥生はポンと肩を叩くことで止めた。

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