2 / 368
二日『初夢の日』
晴日は朝に弱い。早起きの信周はまだまだ幼いその寝顔をじっと見つめている。すると寝ていたはずの晴日が突然にまぁと笑った。
「ん……うへへ」
晴日は一瞬だけ目を開けて信周に抱き付いた。
「……ねぇねぇ、今ねぇ」
とろんとした声で晴日が甘える。
「俺、ノブくんの夢見てたぁ」
「俺の? どんな夢?」
「ふふふ、えっとぉ……俺がねぇ、でぇっかいプリン食べてるの……」
そこまで言って、晴日は信周にくっついたまま、またむにゃむにゃと眠ってしまった。夢の中で二人は何をしていたのだろう、って、一瞬期待したのに。
――それって、もしかしなくても俺の夢じゃなくてプリンの夢じゃん……?
初夢はプリン。しかもでぇっかいプリン。なんとも晴日らしい。信周はふっと笑うと晴日をぎゅっと抱き締めた。眠りながら晴日がまた、にへっと笑った。
ともだちにシェアしよう!