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十三日『一汁三菜の日』
晴日はズボラだ、と信周は思う。でも晴日はなぜか料理だけは上手いのだ。
疲れて帰宅した信周の前に並ぶ手作りの夕食。鮭のムニエル、蓮根のきんぴら、彩に添えられたミニトマトとブロッコリー、大根と薄揚げの味噌汁。
『何とかなるよ。テキトー、テキトー』
そんなことを言いながら軽ーく料理を始めた晴日に、若干の不安を抱いた最初の食事。予想外の出来栄えに驚いた。
でも。
洗い物や野菜クズなどで散らかった使いっぱなしのキッチンを見ると、もう笑いしか出てこない。
――あれは俺が片付けるんだよなあ。
やっぱり晴日はズボラだ、と信周は思う。
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