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十五日『アダルトの日』

「……ノブくんっ……やっ、あぁぁ」  晴日は首を激しく左右に振った。指先が何かを探すように動いている。いつもと変わらない信周の愛撫のはずだった。優しくて、包み込まれるような、なのに今日は熱くて熱くてたまらない。   「ハル、気持ちいい?」 「やだぁ……もっ、やぁだぁ……」  何も見えない。晴日は両腕を拘束されていた。アイマスクの中で長いまつげがしっとり濡れている。繰り返される愛撫に、晴日の口から「あっ、あっ」と切羽詰まった声が漏れる。腰が、切なく揺れる。  信周はいろんな恰好をする晴日を見るのが好きだった。そして軽く拘束するのも。今日は晴日に際どいメイド服を着てもらって遊んでいたはずだった。それがいつの間にか……。信周の希望を晴日は全部受け入れる。ひたすら恥ずかしいけれど、こんな日は特に、燃えるから……。 「ねえノブくんっ……ノブくんが、見えないっ……手ぇ解いて……んんっ」  突然視界が明るくなって、晴日はようやく信周の姿を見つけた。どっと安心感がわく。拘束を解かれると、鼻をずびずび言わせながら信周に抱き付いた。信周がしっかりと受け止めた、かと思うと、またすぐにベッドに押し倒される。 「かわいい、ハル……」  信周の低い声がすぐ真上から響いた。湿りきった晴日の中に、信周がゆっくりと入っていく……。

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