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二十三日『アガる日』

 出かける前に、信周はもう一度寝室を覗いた。掛け布団を抱き込むようにして眠る晴日のパジャマの裾から、柔らかい腹がチラ見えしている。  上下する腹をじっと見つめる。薄い毛布を一枚上からかけて、信周はそっと部屋を出た。休日出勤の憂鬱な気分が少しだけ、アガった気がした。

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