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◆二月◆一日『省エネルギーの日』

 床に広げられた漫画、飲み物、お菓子、丸まった靴下、つけっぱなしのテレビ……。残業帰りの信周が目にしたのは、気が遠くなるような光景だった。その真ん中で晴日が毛布にくるまって寝ころんでいる。 「……何やってんの?」 「ん、ノブくん待ってた。省エネだよぉ」  晴日は「よいしょ」と手を伸ばしてリモコンをつかむと、転がったままチャンネルを操作する。信周はそんな晴日を一睨みして「ほう」と呟いた。 「じゃあ、余ったエネルギーは有効活用しなくちゃな」 「えっ……な、何すんの? ノブくん?」  突然毛布をはぎ取られ頓狂な声を上げた晴日は、そのまま信周に担がれてベッドに連れ去られた。

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