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三十一日『愛妻の日』
たまたま通りかかった花屋で、中年の男性が花を選んでいる。今日は愛する人に花を贈る日らしい。信周の脳内で、満面の笑みをたたえた晴日の姿が再生される。日頃の感謝を込めて家に花でも飾ろうかと、信周も店内を覗いた。
窓辺に飾られたバラ一輪。植物が大好きな信周。花を買ってくることはたまにあったけれど。このバラはなんだか特別な気がして。見つめる晴日の横顔には微笑みが浮かんでいる。
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