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十日『ニットの日』

「えっ、嘘だろ?」  鏡の前で信周は頭を抱えた。色味が気に入って買ったばかりのニット。まだ寒さの残る間はヘビロテの予定、だったのに。袖も丈もすっかり縮んでいる。洗濯して乾燥機で乾かしたのが原因だ。 「じゃあ、俺にちょうだい」  晴日がやってきて、早速着てみると……。 「ほぉら、ぴったり」 「あ、いい感じ。ハルが着てくれるんなら、まあいいかあ」    普段晴日の選ばない色だけど、良く似合う。晴日は上機嫌でくるっと回って見せた。

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