57 / 368

二十六日『包むの日』

「はい、あげる」  信周からポンと渡された小さな箱。綺麗な包装紙で包んである。 「えっ? 何? どしたの、急に?」  突然のプレゼントに目を輝かせて、晴日はいそいそと包みを解き始める。信周はスーツを脱いでハンガーに掛けながら、晴日の様子を伺った。 「もう無くなりそうだから買ってきた。びっくりした?」 「ノブくん……うふふ」  晴日は恥ずかしそうに笑うと信周に抱き付いた。その手には超薄型コンドームの箱がしっかりと握り締められている。

ともだちにシェアしよう!