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二十一日『探偵の日』

「あー、須藤さん。これってもしかして彼女さんですか?」  女性社員が唐突に信周に話しかけてきた。その視線の先に『あるもの』を見つけた信周はぎょっと目を見開いた。 「えっ? 須藤くん、彼女いないって言ってなかったっけ? うちの娘紹介しようと思ってたのに」 「うわぁ、可愛い。どこで知り合ったんですか?」  数人がわらわらと集まってきてあれやこれやと詮索を始める。信周は笑ってごまかすと、そそくさとそのファイルを裏返した。  ――ハルのやつ、いつのまにこんなとこに貼ったんだよ。はああ、もうっ。  加工しまくったプリクラでは、まん丸の目をキラキラさせた晴日が後ろから信周に抱き付いている。   【参照◇四月四日『写真シールの日』】

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