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二日『裏切りの日』
――ヒマだなぁ、なんかお腹すいたし……。
『今日は遅くなる』信周からそう連絡がきたばかりだった。晴日は立ち上がると冷蔵庫へ向かった。扉を開けると目の前に美味しそうなプリンが鎮座している。
「あ、ノブくんのプリン」
パッと見る限り、他は調理が必要なものばかり。がっかりして一度はドアを閉めかけた晴日だが、ふと思いなおしてまたドアを開く。
――食べちゃえ。明日バイトの帰りに買って返せばいいよね。
晴日は「むふ」と笑ってプリンを手に取り、いそいそとテレビの前に戻った。
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