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三日『ポンコツの日』

「ただいまぁ」 「お帰りあのさあハル、俺のプリン食ったろ?」  バイトを終えて帰った晴日を待っていたのは、思いのほか不機嫌な信周だった。 「ごめんね、だって昨日ノブくんいなくて寂しかったの。これ、お詫び……」  晴日がもじもじと紙袋を差し出すと、信周は中を覗き見て表情をふっと緩めた。中身はケーキ屋のちょっぴり高級なプリン。大きな手が俯く晴日の髪を優しく撫でる。  ――よかった、ノブくんチョロくて助かったぁ。    晴日は心の中でぺろっと舌を出す。

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