217 / 368
四日『朝活の日』
夜明けのベッドの中。信周は体に違和感を感じてぼんやりと目を開けた。ぴったりとくっついて眠る晴日が、信周の体をまさぐっている。ぐりぐりと腰を押し付けてくる晴日に、信周は一気に覚醒した。
――嘘だろ、ハル? てか、まだ寝てんじゃん……?
「ハル?」
「……んー」
「寝ぼけてる?」
「……」
「ごめんな、俺これから仕事だから」
「……」
一瞬だけうっすらと目を開いた晴日が、信周をぼんやりととらえる。信周はそのとろんとした瞳から目が離せない。
――ああもう、今日が休みならよかったのに。せっかくの据え膳が……。
そんなことを考えたのも束の間、晴日はまたすうすうと寝息を立て始めた。貴重な晴日からのお誘い、ではなかったのだろうか。晴日はまだ信周にべったりとしがみついている。
「なあ、そんなにくっついたら暑いだろ」
聞いているのか、聞こえていないのか。信周は苦笑しながら、晴日にそっと口付けた。
ともだちにシェアしよう!