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四日『東京ディズニーシー開園記念日』

 晴日が慌ててバイトに飛び出していったあとの惨状を見て、信周は顔をしかめた。ローテーブルの上には食べかけのお菓子に開きっぱなしの本、床には脱いだTシャツ。まあ、いつものことだ。    ――あれ、これ図書館のじゃん。借りた本なんだからもっと大事にしろよな。  ため息を吐きながら、信周はその旅行ガイドブックを手に取った。  ――もしかして……ハルここに行きたいのか? ふうん、いいじゃん。楽しそう。  片付けるつもりが、気が付けば信周も残ったお菓子をつまみながらテーマパーク特集を夢中で読みふけっている。

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