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二十六日『台風襲来の日』

 外は大荒れだった。叩きつけるような横殴りの雨、強風にガタガタと揺れる窓。唸るような風の音に信周は夜中に目を覚ました。  ――うわ、仕事どうすんだよこれ。  少しだけ不安になった信周の耳に、風の音に混じって隣からすうすうと寝息が聞こえてくる。  ――……ま、何とかなるか。  晴日は何事もないかのように寝こけている。ただそれだけなのに、何となく心が落ち着いてくる気がした。信周は晴日の体に腕を回し、再び目をつぶった。

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