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二十五日『いいえがおの日』

 信周が目覚めるとベッドに一人だった。晴日はもうとっくに起きていて、キッチンからはふんわりと甘い良い香りが漂ってくる。    にこにこと楽しそうにパンケーキを焼く晴日。見つめる信周の頬がふっと緩んだ。晴日の笑顔の理由は知っている。昨日旅行の約束をしてから、ずっと浮かれたままなのだ。

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