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二十九日『クリーニングの日』
少し早いかなと思ったけれど、信周の夏用のスーツをクリーニングに出した。
普段は脱ぎっぱなしでもしわくちゃでも気にしないずぼらな晴日だが、信周のスーツとワイシャツは毎回きちっとクリーニングに出す。信周にはいつも気持ちよく仕事をしてもらいたいから。
「ありがとうございましたぁ」
スーツを受け取り、店を出る。通り過ぎる風が気持ちいい。なんだか心まで綺麗になったような気がして、晴日はうきうきと自転車のペダルを踏みしめた。
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